事務局長談話

 
2015年02月23日
社会保障審議会福祉部会における「報告書」とりまとめに対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神津 里季生

  1. 2015年2月12日、社会保障審議会福祉部会は社会福祉法人制度改革に関する「報告書」をとりまとめた。社会福祉法人は介護や保育、児童養護、高齢者・障がい者福祉等の事業の主たる担い手として長きにわたって我が国の社会福祉を支えてきた。多様化・複雑化する福祉ニーズの充足と地域社会への貢献という社会福祉法人の今日的な意義・責務を明確にした上で、経営組織の見直し、業務運営・財務運営の透明性向上等をはかるものであり、基本的な方向性については評価できる。

  2. 「報告書」は公益財団法人等と同等以上の公益性・非営利性を担保することを柱とし、主な内容は、ガバナンス強化として、業務執行機関である理事会と意思決定機関である評議員会を必置とし、内部統制機能を発揮させるとしている。また、財務運営については、情報開示や適正な支出管理を徹底するとともに、内部留保は「地域協議会」でニーズを把握した上で再投下計画を作成し、福祉サービスに投入するとしている。社会福祉法人は介護報酬や措置費等で運営され、その目的・役割から税制優遇措置も講じられている。しかし、一部法人で不適正な運営が行われていたことが発覚し、一方、2006年に公益法人制度改革が実施されたことも踏まえて改革が行われるものであり、時宜にかなうものと考える。

  3. 連合は、業務運営・財務運営の透明性の確保に向け、利用者や地域代表等の意思を法人運営に反映し、決定プロセスも公開することを求めてきた。「報告書」では、意見を聴く場として「運営協議会」を設置することが適当であるとされたが、必置ではないため、設置しない場合にはその機能を担う何らかの機会が確実に担保される必要がある。また、職員の処遇改善や労働環境の整備を含め、適切な事業運営を確保することが大前提であり、その上で、内部留保の再投下にあたっては一定の類型化・基準が必要と主張してきた。結果、計画は人材への投資を含む「社会福祉事業等投資額」「地域公益事業投資額」「その他の公益事業投資額」の順での検討が必要とされ、国がガイドラインを策定することも盛り込まれた。

  4. 厚生労働省は、同部会の下に設置している「福祉人材確保専門委員会」のとりまとめも経て、介護人材の確保方策を含め、所要の法案を今通常国会に提出する予定にしている。社会保障に対するニーズが拡大する中、高い公益性と非営利性を備えた社会福祉法人とそこで働く職員の役割はますます重要になっている。社会福祉法人の地域性、自主性、自律性は今後も大切にされるべきものである。連合は、法改正を機に、あらためて社会福祉法人が社会保障制度の基盤を支える存在として将来にわたって安定的に質の高い福祉サービスを提供するよう働きかけを行っていく。


以 上