事務局長談話

 
2015年02月13日
「民法(債権関係)の改正に関する要綱案」に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神津 里季生

  1.  2月10日、法制審議会民法(債権関係)部会(部会長:鎌田薫早稲田大学総長)は、「民法(債権関係)の改正に関する要綱案」を確認した。民法は市民社会の基本法であり、改正により労働分野にもさまざまな影響が及ぶことが考えられるところ、要綱案では、当初懸念されていた労働者保護が後退するという懸念がおおむね払拭された上、時効期間を統一化するなど、規定が分かりやすくなることが期待できるなど評価できる。

  2.  「要綱案」は、民事基本法典である民法の債権関係の規定について、同法が制定された1896(明治29)年以来の社会・経済の変化に対応し、国民一般に分かりやすいものにする等の観点から、国民の日常生活や経済活動にかかわりの深い「契約」に関する規定を中心に見直しを図ることを目的とするものである。主な内容は、[1]消滅時効の簡明化・統一化、[2]定型約款の明文化、[3]保証人保護の方策の拡充、[4]賃貸借の敷金の明文化等、200項目に及ぶ。

  3.  連合は、労働分野の民法のユーザーという立場から委員として審議に参画してきた。労働分野の政策についてはILOの公労使三者構成の原則により、労働政策審議会の場で審議されるべきであるとスタンスのもと、契約ルールを定める債権法改正が労働契約や労働紛争など労働分野において悪影響をもたらすことがないよう、意見を述べてきた。その結果、労働分野における懸念を払拭することができ、労働法に対する深い理解と議論の労苦を惜しまなかった他の委員をはじめ多くの関係者に敬意を表する。

  4.  今後、法制審議会総会での決定および法務大臣への答申を経て、今通常国会に民法(債権関係)改正法案が提出される見通しである。連合は、今回の法律の改正案について、国会審議などを通じて残る懸念点の解消をはかるべく取り組みを進めていく。また、法案の成立後は、円滑な施行に向け広く国民に周知を行うとともに、労働政策審議会において民法改正を踏まえた関係する労働法の改正の検討に速やかに着手するよう、政府に求めていく。


以上