事務局長談話

 
2014年12月16日
「経済の好循環の継続に向けた政労使の取組について」の談話
日本労働組合総連合会 事務局長 神津 里季生

  1.  「経済の好循環実現に向けた政労使会議」(以下、「政労使会議」)は、12月16日、「経済の好循環の継続に向けた政労使の取組について」を取りまとめた。同会議で昨年取りまとめた4つの課題([1]賃金上昇に向けた取組、[2]中小企業・小規模事業者に関する取組、[3]非正規雇用労働者のキャリアアップ・処遇改善に向けた取組、[4]生産性の向上と人材の育成に向けた取組)について政労使が継続して取り組むことを確認できたことは有意義であり、具体的な結果に結びつけることが求められる。

  2.  本年は、超少子高齢化・人口減少社会をふまえ、「賃金体系の在り方」「サービス産業等の生産性向上」「休み方・働き方改革」「プロフェッショナルの人材環流円滑化」「女性が働きやすい制度等への見直し」などの課題についても意見が出され、一定の取りまとめが行われた。
     ワークライフバランス社会の実現にむけて長時間労働を是正する意識改革を進めていくことや、非正規雇用労働者について意欲と能力に応じた処遇改善や正規化をはかるべき時を迎えているとの認識が深まったことは評価できる。
     一方、生計費カーブの前提となっている子育てや教育費等のあり方や、めざすべき社会像とそのための政策体系などについては、限られた時間の中で十分な議論ができたとは言い難い。

  3.  連合は、政労使会議の中で、デフレ脱却のカギは中小企業で働く労働者や非正規労働者の「底上げ・底支え」「格差是正」にあるとの認識のもと、2014年1年限りの取り組みに終止することなく、経済の好循環の流れを拡大すべきだと主張してきた。加えて、新たな課題として、国民所得が物価上昇に追いついていないことや長時間労働の是正を最優先とした働き方の見直しなどの問題提起を行ってきた。

  4.  連合は、経済の好循環実現にむけた責任を果たすべく、「賃上げ」「時短」「政策・制度実現の取り組み」を柱として、すべての働く者の底上げ・底支えと格差是正をはかる2015春季生活闘争を総力を挙げて展開する。同時に、労働者保護ルールの改悪に対しては、引き続き世論喚起を行い断固阻止していく。


以上