事務局長談話

 
2014年12月15日
第47回衆議院選挙結果についての談話
日本労働組合総連合会 事務局長 神津 里季生

  1. 第47回衆議院選挙が終了した。民主党は選挙前の62議席から11議席増やし、73議席を得た。一方、与党は衆議院の3分の2を超える326議席となった。その一因は、民主党が選挙戦を通じて訴えた政策や政権運営に対する批判などに関して国民の期待を受け止めきれず、自民党への対抗軸となり得なかったことにある。民主党は、野党第一党としての責任を改めて自覚し、愚直に国民の目線で巨大与党への対抗軸を示し信頼を得ることで、今回の議席増を今後に繋げるべく基盤強化に努めなければならない。

  2. 今回の選挙は、閣僚の相次ぐ不祥事や野党の連携により国会運営が行き詰る中、消費税増税延期に対して国民の信を問うとして施行された解散総選挙であったが、その実は、政権をさらに延命することを目的とした「大義なき選挙」であった。三党合意を反故にし、身勝手な解散総選挙を強行した安倍政権の対応は、極めて遺憾であると言わざるを得ない。

  3. 今回の投票率は戦後最低の52%前後となる見込みである。政権与党は国民から全権委任を得た訳ではない。連合は、これまで以上に強権的な政権運営を行うことに、極めて強い警戒感を抱いている。政権与党は、戦後最低の投票率を真摯に受け止め、政治に対する不信感のため投票行動に及ばなかった多くの国民の声も黙殺することなく、民主的な政権運営に努めるべきである。

  4. 連合は、今次総選挙において、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向け、政策協定を締結し民主党への支援を組合員に呼びかけてきた。また、労働組合の社会的責任として、投票率向上に向け、「投票に行こう!」運動を展開した。一連の運動における構成組織、地方連合会および地域協議会、そして組合役員、組合員・ご家族の真摯な取り組みに、衷心より感謝申し上げる。

  5. 連合は、ナショナルセンターとして広く国民の共感を得られる社会運動を展開するとともに、来春の統一地方選挙と次期参議院議員選挙に向けて、粘り強い丁寧な対話により組合員の政治意識の向上に引き続き取り組み、政治に健全な緊張感をもたらす二大政党的政治体制の確立を目指して運動を強化していく。


以 上