2014年06月09日
「不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律」の成立に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神津 里季生
- 6月6日、参議院本会議において「改正不当景品類及び不当表示防止法」、「改正消費者安全法」が与野党の賛成多数で可決・成立した。食の安心・安全についての、国・地方公共団体の責務、消費者教育の推進等を通じた消費者安全の確保や高齢者被害の防止に向けた相談体制の強化などが一歩前進したことは、概ね評価できる。
- 今回の法改正の背景には、表示と異なる食材が使用されていた偽装問題が起こり、「日本の食」に対する国内外の信頼が揺らぎかねない事態が生じたこと、加えて、消費者被害、とりわけ認知症高齢者の被害は2013年で17,000件と10年前からほぼ倍増しており、地域における相談体制の不十分さなどが指摘されていることがある。今回の法改正は、これらを改善する一歩として期待できる。
- 連合は、『政策・制度 要求と提言』において、暮らしの安心・安全の構築に向け、消費相談員の資質向上、人材育成など、消費者行政の体制強化を求めてきた。
「改正不当景品類及び不当表示防止法」では、事業者のコンプライアンス体制の確立、消費者庁長官の権限の一部を事業所管大臣等や都道府県に委任するなど、食品をはじめとする不当表示に対する監視指導体制の強化を目的としている。また、「改正消費者安全法」では、地域の見守りネットワークの構築、消費者行政職員や消費生活相談員の確保と資質向上、消費生活相談体制の強化など、地方をはじめとする消費者行政の体制整備をはかることとされている。また、不当表示に対する課徴金制度は、法施行後1年以内に必要な措置を講じることとされている。これらの内容は、連合の求める方向性と一致しており、具体的に実効ある体制がどこまで整備できるか焦点となる。
- 連合は、消費者行政の体制強化、消費生活相談員の人材育成・確保など、構成組織・地方連合会などとの連携をはかりつつ、暮らしの安心・安全の確保に向けて引き続き取り組みを進めていく。
以上