2014年04月16日
「パートタイム労働法の一部を改正する法律案」の成立についての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神津 里季生
- 2014年4月16日、参議院本会議において、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案」が全会一致で可決・成立した。今回の改正はパートタイム労働者の均等・均衡待遇の確保に向けて、一歩前進する内容として評価できる。
- 主な改正点は、[1]正社員と待遇において差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者の範囲拡大、[2]正社員との不合理な処遇格差の解消などに関するパートタイム労働者の待遇の原則の追加、[3]事業主からパートタイム労働者への雇用管理の改善等に関する措置内容の説明義務の追加、[4]パートタイム労働者の相談に応ずる体制を事業主が整備する義務の追加、[5]行政への報告の拒否等を行った事業主への過料の規定および勧告に従わない事業主名の公表規定の追加、などであり、連合の主張が一定程度反映されたものとなっている。
- 法律本文で均衡確保の対象外と記載されている通勤手当については、「新8条や関係法制の動向を踏まえ、諸事情を考慮し正社員との処遇格差が不合理とならないよう必要な措置を講ずること」との旨が衆・参の付帯決議に盛り込まれた。
待遇等の説明を求めたことを理由とした不利益取扱いの禁止については、前向きな大臣答弁が引き出され、「建議を踏まえ事業主への指導を強化する措置」が衆・参の付帯決議に謳われた。
これらは連合の主張に沿った方向での立法者の意思であると評価したい。
- 連合は、改正パートタイム労働法案の国会での審議を踏まえ、引き続き労働政策審議会雇用均等分科会での施行規則等の審議に臨んでいく。その際、建議の中で法案に反映されなかった内容等残された課題や懸案の解消について、国会の議論および付帯決議を重く受け止めた上で対応していきたい。連合は、改正法が適切に運用され、パートタイム労働者の処遇が一歩でも改善されるよう、全力で取り組んでいく。
以上