事務局長談話

 
2014年03月27日
「水循環基本法」成立に対する談話
日本労働組合総連合会 事務局長 神津 里季生

  1.  3月27日、衆議院本会議において、「水循環基本法」が全会一致で可決、成立した。健全な水循環を維持・回復させ、わが国の経済社会の発展及び国民生活の安定向上に寄与することを目的とする本法律は、連合が13年にわたり求め続けてきたものであり、限りある水資源の適切な利活用を促進する第一歩として評価する。

  2.  本法律は、水が公共性の高い国民共有の貴重な財産であることを示し、すべての国民がその恵沢を将来にわたって享受できる環境を確保することなどを基本理念としている。主な内容として、国が水循環に関する施策を総合的に策定し実施する責務、地方公共団体が地域の特性に応じた施策を策定し実施する責務、8月1日を水の日とすることなどを定めている。また施策を実行するため、内閣に水循環政策本部(本部長は内閣総理大臣)を設置し、水循環基本計画を策定し、5年ごとに計画の見直しを行うことなどが規定されており、総合的かつ一体的に運営されることが期待される。
     一方、水は基本的人権であることの条文化や、水に関する施策の決定における住民の参加が保障されていないなどの課題が残されている。

  3.  連合は、2001年度より「水基本法(仮称)」の制定を求め、関係組織との意見交換を重ねつつ、その実現に向けてシンポジウムの開催や政府・政党に対する働きかけなどの取り組みを積み重ねてきた。本法律は第183通常国会で、いったん廃案となったが、連合は今国会の最重要法案の一つとして位置づけ、民主党などへの要請をはじめ、各政党への働きかけを行ってきた。その結果、超党派の支持により今国会で成立したものである。

  4.  今後は、本法律にのっとり、国、地方公共団体、事業者、民間の団体など関係者相互の連携及び協力により、水行政の体制の構築が進められることになる。連合は、構成組織・地方連合会、NGOなどとの連携をはかりつつ、引き続き法の実効性を高めるための取り組みを進めていく。


以上