事務局長談話

 
2013年12月06日
国連障害者権利条約締結についての国会承認に関する談話
日本労働組合総連合会 事務局長 神津 里季生

  1.  12月4日、参議院本会議において、国連障害者権利条約の締結について全会一致で可決、承認された。同条約は、障がいの有無に関係なく人として当たり前の権利と自由を保障し、すべての障がい者が尊厳を持って社会の一員として生活することを目的としている。条約批准は障がい当事者の長年の悲願であり、連合も早期の批准を強く求めてきたところである。民主党政権時代の国内法整備により今回、実現をみたものであり大いに歓迎する。

  2.  同条約は、障がい者の社会的、経済的自立のため教育や司法・雇用等のあらゆる分野で権利を保障し、障がいに基づく差別を禁止することなどが明記され、2006年に国連総会で採択された。条約には、障がい特性に応じて支援等を提供する「合理的配慮」についても定められた。加盟国に対して障がい者の教育を受ける権利や政治的権利、保健・労働・雇用の権利、余暇活動へのアクセスなど障がい者の権利保障への取り組みを求めている。政府は2007年に署名したが、国内法が未整備であることから批准を見送ってきた。民主党政権の下で、「障害者虐待防止法」や「改正障害者基本法」、「障害者総合支援法」、「障害者差別解消法」が成立し、国内法整備、制度改革等が集中的に進められ、批准に至った。

  3.  連合は、同条約の早期批准や、そのための国内法の整備として「雇用における障害差別禁止法」の制定や「障害者基本法」、「障害者自立支援法」の見直し、差別の解消を求めてきた。また、「改正障害者雇用促進法」の制定を求めるなど障がい者の雇用環境の整備に取り組んできた。今回、条約締結は承認されたものの、なお、「障害者差別解消法」では、民間事業者における合理的配慮は、努力義務に留まったこと、紛争解決に関する実効性が担保されていないなど課題を残している。

  4.  今後は、条約の理念や規定を国内に定着させることが必要であり、そのためには残された課題の解決や、障がい者への虐待防止、障がい者への差別意識や偏見などの解消が求められる。連合は引き続き、障がいに基づくあらゆる差別を撤廃するため、社会的包摂を基本とする社会の実現に向けて、障がい当事者や障がい者団体、NPO等と連携を強化し、取り組みを進めていく。


以上