事務局長談話

 
2013年12月05日
産業競争力強化法案成立に関する談話
日本労働組合総連合会 事務局長 神津 里季生

  1.  12月4日、参議院本会議において「産業競争力強化法案」が民主党を含む賛成多数で可決、成立した。日本経済の再生に向け産業競争力を強化するという法律の趣旨やその内容は概ね理解できる。しかし、雇用の安定や労働者保護ルールが損なわれることなく、質の高い雇用の創出・維持がはかられるよう、引き続き、法施行後の施策の展開を注視しなければならない。

  2.  この法律は、規制改革を推進するための制度として「企業実証特例制度」を創設するとしているが、この制度を労働者保護を目的とする諸規制に適用し、保護が後退することがあってはならない。また、この法律は、産業活力再生法を継承・拡充し、事業再編や中小企業の創業・再生支援を強化するとしているが、事業の再編・再生は、雇用の維持・確保に大きな影響を与える可能性がある。間接雇用労働者も含めた雇用安定への最大限の配慮、労使間での十分な事前協議の実施、事業譲渡による事業再生における労働契約の包括的承継などを確保するための措置が講じられる必要がある。

  3.  連合は、衆議院経済産業委員会において参考人として事務局長より意見陳述を行うとともに、民主党と連携し国会対応を通じて上記の措置の必要性について意見反映を行ってきた。その結果、審議を通じて茂木経済産業大臣から「企業の新陳代謝を進めると同時に、経済全体で質の高い雇用の創出、維持を図ることは極めて重要である」旨の答弁を得た。また、衆参両院において「事業再編計画等の作成にあたり、事業者が労働組合等と十分協議を行う」、「第二会社方式による中小企業承継事業再生計画の認定要件に労働契約及び労働条件が不当に切り下げられないことを含める」旨の附帯決議がなされた。

  4.  連合は、今後、「企業実証特例制度」の運用に際して労働者保護規制が対象になることがないよう万全の対応を図るとともに、大臣答弁や附帯決議に盛り込まれた内容が法律の施行に関わる指針やその運用に反映されるよう積極的に関与していく。


以上