事務局長談話

 
2013年08月09日
中期財政計画および平成26年度予算の概算要求基準の閣議了解に対する談話
日本労働組合総連合会 事務局長 南雲 弘行

  1.  8月8日、政府は、当面の財政健全化に向けた取り組み等について示した中期財政計画および平成26年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針(概算要求基準)について閣議了解した。中期財政計画では、国と地方を合わせた基礎的財政収支を2010年度比で2015年度までに赤字を半減させ、2020年度までに黒字化を目指すという財政健全化の国際公約が堅持されたことは適切である。しかし、中期的な経済と財政の立て直しにむけた改革の道筋が不明確であり、不十分な内容である。

  2.  中期財政計画では、財政健全化目標を達成するため、2年間で赤字を8兆円削減することや、新規国債発行額について前年度(42.9兆円)を上回らないよう最大限努力するなどとしているが、民主党政権時に設けた歳出の上限やメリハリをつけた財政構造の見直しは示されていない。内閣府が公表した中長期の経済財政に関する試算によると、消費増税を盛り込んでもなお、2020年度に基礎的財政収支を黒字化するには更なる収支改善努力が必要であるとしており、国民経済の再生と財政再建をセットで実現するための経済財政運営を強く求める。

  3.  平成26年度予算の概算要求基準については、経済成長と財政健全化目標の双方を達成するため、メリハリのついた予算とするとしており、成長戦略の分野に予算の重点配分を行う「優先課題推進枠」を設置するなど、施策の優先順位の洗い直しや無駄の排除などを行っていくとしている。
     しかし、骨太の方針や日本再興戦略を踏まえた諸課題として、国土強靱化の名の下に公共事業の復活・拡大が示唆されている一方で、国民の暮らしに直結した歳出項目である年金・医療等の社会保障分野については合理化・効率化に最大限取り組むことがことさら強調されている。消費税の引上げ分を医療・介護の充実に確実に還元することをはじめ、社会保障の充実や質の高い雇用の創出など、真に国民の安心・安全につながる予算編成が行われることを強く求める。

  4.  連合は、日本経済を持続的・安定的な成長軌道へ復帰させるため、財政規律を遵守するとともに、良質な雇用の創出や社会的セーフティネットの充実など、働く者・生活者の視点に立った政策の実行を求めてきた。引き続き、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて全力で取り組んでいく。


以上