事務局長談話

 
2013年06月07日
規制改革会議「規制改革に関する答申」に対する談話
日本労働組合総連合会 事務局長 南雲 弘行

  1.  政府の規制改革会議(議長:岡素之・住友商事株式会社相談役)は6月5日、「規制改革に関する答申」をとりまとめた。「成長戦略」を構成する重要な基盤として規制改革を位置づけ、「エネルギー・環境」「保育」「健康・医療」「雇用」「創業等」の各分野の項目が掲げられている。そこには、国民の健康、雇用のあり方に大きな影響を及ぼす内容が含まれている。とりわけ、現在の労働市場と雇用システムは成長の阻害要因であるとの捉え方をしており、こうした考え方のもとで行われる規制改革は、社会の劣化に拍車をかけることとなり、問題は極めて大きい。

  2.  雇用分野については、[1]ジョブ型正社員の雇用ルールの整備として、職務等に着目した「多様な正社員」の普及・促進を図るため、労働条件の明示等、雇用管理上の留意点を取りまとめ、その周知を図ることや、[2]企画業務型裁量労働制やフレックスタイム制を始め、労働時間法制の見直しを労働政策審議会で検討すること、などを挙げている。当初の議論からは抑えた内容となっているが、ジョブ型正社員は解雇規制の緩和という観点で議論されてきた経緯があり、また、答申は、判決で解雇無効とされた場合の雇用終了の在り方(解雇の金銭解決制度)も検討すべきとしているなど、今後、解雇ルールが大幅に後退しかねない。労働時間規制に関する適用除外制度(ホワイトカラー・イグゼンプション)も検討項目として残されており、7月の参議院選挙の結果によっては、民主党政権で前進させた労働者保護ルールが改悪されかねず、そうした動きは断じて許すことはできない。

  3.  健康・医療分野では、すべての一般用医薬品のインターネット等での販売を可能とすることが盛り込まれたが、重篤な副作用による健康被害の拡大が懸念されるため、全面解禁には反対である。販売事業者の許可制の導入を含め、薬害被害者が参画する場で十分な検討を行うことを求める。

  4.  連合がめざす「働くことを軸とする安心社会」は、あらゆる人が社会に参加し自己実現に挑戦できるセーフティネットが組み込まれた社会である。連合は、国民の安全や健康の確保、環境保全、公正労働基準の維持など「社会の質」に関わる規制の維持・強化に向け、社会的使命として取り組んでいく。


以上