事務局長談話

 
2013年03月18日
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉への参加表明に対する談話
日本労働組合総連合会 事務局長 南雲 弘行

  1.  安倍総理は、3月15日の記者会見において、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉への参加を決断し、その旨を関係国に通知することを表明した。わが国の経済成長と雇用創出をはかる上で、経済連携の推進は重要な政策課題の1つであり、TPP交渉参加の判断については理解する。しかし、国民的な議論と理解が十分に進まず、各分野における懸念も払拭されていないまま交渉参加表明に至ったことについて、安倍政権は衆議院選挙での政権公約との整合を含め、説明責任を尽くす必要がある。

  2.  TPP交渉参加に向けては、2011年11月、前政権下において関係国との協議に入るとの見解が表明されて以降1年余りが経過したが、国内での議論が深まることなく、いたずらに時が経過してしまった。交渉参加国が本年末の合意を目標に交渉を進めている中で、公平かつ公正なルール作りに積極的に参加する上で日本が大きく出遅れた結果となったことについては、与野党を問わず政治の怠慢が厳しく問われるべきである。
     政府には、交渉参加を通じて的確な情報収集・分析を行い、万全の交渉対策や国内対策を講じるとともに、国民への適切な情報開示、影響試算の検証、国民的合意形成に向けた丁寧な対応を行うことを強く求める。併せて、懸念される課題について、とりわけ、食料・農林水産分野、食の安心・安全、医療、金融など、安心社会の基盤となる重要事項については、重点的に対策を講じる必要がある。

  3.  連合は、2011年12月、「『政府の経済連携に関する取り組み』に対する連合の当面の対応」をまとめ、TPP交渉参加にあたっては、幅広い分野に影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、懸念される課題について適切に対応することを政府に求めてきた。引き続き、今後の政府の対応や国内外の動向を注視しながら、国民生活に影響を及ぼす懸念事項とその対策について精査し、政府・政党への要請や政策協議などを通じて必要な対応を求める。
     さらに、交渉参加国のナショナルセンターをはじめとした多様な関係先と連携強化をはかり、連合として主体的に情報収集を行っていく。

  4.  連合は、「働くことを軸とする安心社会」を目指し、アジア太平洋地域における経済連携の推進が、わが国の持続的成長と雇用創出はもとより、同地域における公正で持続可能な発展とディーセントワークの実現に寄与するものとなるよう、働く者・生活者の立場からの政策・制度の実現に全力で取り組んでいく。


以上