事務局長談話

 
2013年02月08日
厚生年金基金制度の見直しに関する意見とりまとめに対する談話
日本労働組合総連合会 事務局長 南雲 弘行

  1.  2013年2月8日、厚生労働省の社会保障審議会年金部会「厚生年金基金制度に関する専門委員会」は、同省が示した「厚生年金基金制度の見直しについて(試案)」に関する意見をとりまとめた。意見では、改正法の施行日から10年間の移行期間をもって代行制度を段階的に縮小するとともに、財政状況が健全な基金は、他の企業年金へ移行させつつ制度を廃止するという方向性を示した。連合は、この方向性を概ね評価する。

  2.  意見が一致した主な内容は、代行割れ基金について、[1]5年以内に「特例解散」を申請する「自主解散」と、申請しない基金に解散を促す「清算型解散(仮称)」の類型の設定、[2]連鎖倒産防止等のための「現行特例」の見直し(連帯債務外しと分割納付の利息の固定化)、[3]移行支援のための確定給付企業年金・確定拠出企業年金の見直し、[4]最低責任準備金の計算方法の見直し-等である。これらは基本的に連合の考え方に沿うものである。
     一方、[1]「新特例(納付期間の延長)」、[2]特例解散の場合の上乗せ部分の支給停止時期の前倒し-については委員の意見が分かれた。連合は、[1]は倒産による財政リスクが高まること、[2]は受給者への影響が大きいこと-から反対してきたが、これらが意見に反映されなかったことは残念である。

  3.  連合は、1990年代後半より、基金の運用損が厚生年金本体財政に影響を及ぼす可能性がある代行制度の欠陥を指摘し、廃止を求めてきた。近年、その欠陥が露呈し、2011年度末で577基金のうち287基金が積立不足、金額は約1兆1,100億円にのぼっている。代行制度は持続可能とは言えず、一刻も早くすべての基金を解散させるべきである。なお、その際、これまで代行返上してきた基金や企業年金を持たない厚生年金被保険者との公平性に留意するとともに、国は現在、厚生年金基金に加入する中小企業労働者やパート等非正規労働者への情報提供などの移行支援を行う必要がある。

  4.  厚生労働省は改正法案を今通常国会に提出する意向である。自公政権内には「健全な基金の存続」という意見もあるが、問題の先送りは許されない。連合は、基金の解散・移行にあたり受給権を守るために、単位組合が基金の現状を把握し、母体企業との労使協議を行い、基金の代議員会の審議に参画するよう、構成組織を通じた情報提供などの取り組みを進める。また、法案の提出と早期成立に向け、連合・構成組織が一体となり、政府・各党への働きかけを強めていく。


以上