事務局長談話

 
2011年12月26日
2012年度政府予算案の閣議決定に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  12月24日、政府は一般会計を90兆3,339億円とする2012年度予算案を閣議決定した。3年連続で税収よりも新規国債発行額が上回るという深刻な財政制約のもとで、将来に向け本予算を「日本再生元年予算」と位置づけ、成長基盤の強化や雇用創出・人材育成等に戦略的に取り組む方針を示し、それに沿った予算編成を行ったことは評価できる。また、本予算案では復興特別会計が新設され約3.8兆円が計上された。東日本大震災からの復興・再生と持続的・安定的な成長軌道への復帰を速やかに実現するためにも、本予算案と予算関連法案の年度内成立を強く求める。

  2.  本予算案では、再生可能エネルギーの導入や研究開発、中小企業の海外展開支援、若者や高齢者の就労支援、求職者支援制度など、予算編成の基本方針に示された「経済分野のフロンティア」「分厚い中間層の復活」などに資する費用の増額などが行われた。また、いわゆる「子ども手当」の見直しによる年収制限世帯に対して、一定の手当が維持されることとなったことは評価できる。

  3.  一方で課題の残る面も見られた。特別枠の「日本再生重点化措置」は、幹線道路ネットワークなどインフラ整備の比重が高く、日本再生から成長へと繋げるというメッセージが国民には伝わりにくい。政府は、「日本再生戦略」を取りまとめ、国民に分かりやすくビジョンとして示す必要がある。
     また、賃金が低下し物価が下落する中、診療報酬と介護報酬が引き上げられたが、これらの財源を医療人材の負担軽減や確保対策などへ配分するとともに、介護職員の処遇改善に確実に充てられる仕組みを導入する必要がある。加えて、年金交付国債により基礎年金の国庫負担の引き上げ財源が確実に確保されるよう、社会保障と税の一体改革を実現しなければならない。そのための、国民に対する丁寧な説明が不可欠である。

  4.  連合は、「連合2012年度重点政策」に基づき、新成長戦略の推進を加速させ東日本大震災からの復興・再生を日本経済の成長、雇用創出に繋げるとともに、社会保障と税の一体改革の実現を通じたセーフティネット機能の強化による将来不安の払拭を求めてきた。
     政府は、本予算案に盛り込まれた諸施策をわが国の成長基盤の強化に確実に繋げなければならない。あわせて、政府・与党の一致結束、与野党での真摯な協議を通じて、本予算案と予算関連法案が早期に成立し、社会保障と税の一体改革での合意形成がはかられるよう、政治のリーダーシップが求められる。
     連合は、「働くことを軸とする安心社会」をめざし、引き続き、政府・与党との連携をはかりつつ、連合の求める政策・制度の実現に全力で取り組んでいく。


以上