事務局長談話

 
2011年06月20日
厚生労働省「今後の高年齢者雇用に関する研究会」報告書についての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  6月20日、厚生労働省「今後の高年齢者雇用に関する研究会」(座長:清家篤慶應義塾長)は、報告書をとりまとめて公表した。本研究会は昨年11月に設置され、希望者全員の65歳までの雇用確保策、年齢にかかわりなく働ける環境の整備等について検討してきた。「報告書」において、[1]ただちに法定定年年齢を65歳とすることは困難だが、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢の65歳への引き上げが完了する(2025年)までには、定年年齢が65歳に引き上げられるよう、引き続き議論を深めていくべき、[2]継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準制度は廃止するべき、との方向性を示したことは、評価できる。

  2.  2013年から、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢の引き上げが開始されることとなっている。連合は、高年齢者雇用の現状と課題を踏まえつつ、組織的な議論を行い、「高年齢者雇用安定法見直しに等に関する連合の考え方」を確認した。その中では、[1]65歳までの雇用確保措置として、定年年齢の引き上げ、定年の定めの廃止、継続雇用制度の導入、という3つの選択肢の存続、[2]継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準制度の廃止、[3]高年齢雇用継続給付の堅持、[4]2025年に向けた65歳定年制の在り方の検討、などを盛り込んでいる。「報告書」も概ね、連合の問題意識を反映したものとなっている。

  3.  しかし、「報告書」が、企業が雇用確保措置を実施していない場合に私法上の効果を持たせることについて、具体的な方向性を示していないことは極めて残念である。司法による救済も労働者保護の重要な手段であり、高年齢者雇用安定法9条に定める高年齢者雇用確保措置をいずれも導入しない場合における私法上の効果を規定すべきである。
     また、意欲と能力がある高齢者が年齢に関わりなく希望すれば働き続けられることは望ましい。しかし、「生涯現役社会の実現のための環境整備」の一環として、公的年金の支給開始年齢の議論とあわせて「70歳までの雇用機会の確保」などを議論することは、65歳までの雇用確保も不十分な中で適当ではない。65歳までの雇用確保を確実なものとするべきである。

  4.  この「報告書」を受けて今後、労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会において、来年の通常国会への法案提出をめざした高年齢者雇用安定法の見直しの議論が行われる。連合は、働くことを希望する者すべての65歳までの雇用を確保するため、報告書の内容にとどまることなく、さらに前進させ、実効性ある法改正を求めて審議会への対応を進めていく。


以上