事務局長談話

 
2010年06月03日
雇用戦略対話における「2020年までの数値目標設定」に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1. 6月3日、雇用戦略対話第4回会合(鳩山内閣総理大臣主宰)が開催され、雇用戦略における「2020年までの目標」と達成に向けた施策案がとりまとめられた。
    そのなかで、最低賃金について政労使で初めて具体的な目標金額を確認することができた。このことは、大変画期的なものであり、評価したい。
     連合は、これまで、非正規労働者が増加するなか、ナショナルミニマムとして生活できる賃金水準を保障することが何よりも重要であるととらえ、最低賃金の引き上げをセーフティネットとして重視してきた。
     2008年の円卓会議合意の際に示せなかった数値目標を示すことができたことは今後の最低賃金の引き上げにとって大変意義あるものと受け止める。また、均等・均衡処遇実現の第一歩にもつながるものと認識する。

  2. 最低賃金では「できる限り早期に全国最低800円を確保し、景気状況に配慮しつつ、全国平均1000円を目指す」。その際、中小企業に対する支援や非正規労働者等の職業能力育成などの施策を講じるとなっており、「官公庁の公契約においても、最低賃金の引上げを考慮し、民間に発注がなされるべき」としている。
     景気状況にかかわらず、できる限り早期に地域別最低賃金の水準を最低限800円以上とすることで、2009年の民主党マニフェストを上回る(09マニフェストでは「労働者とその家族を支える生計費」)面もある。ただ、「2020年の全国平均1000円」は経済成長が名目3%を超えることを前提としたものであり、その点は不十分であると言わざるを得ない。また、官公庁の公契約について最低賃金の引き上げを考慮するというのは当然であり、算定根拠など具体的な目標設定が待たれる。

  3. 最低賃金は、今後、中央最低賃金審議会、地方最低賃金審議会の審議を経て改正されることとなる。政府に対しては、この雇用戦略対話でのとりまとめを受け、目標達成に向け、できるだけ早期に抜本的な水準改正ができるよう、強力なリーダーシップの発揮を期待するとともに、連合としても、このとりまとめを踏まえて全力で取り組みを展開していく。

  4. その他の目標と施策では、[1]希望しても正社員になれない非正規労働者の数を減少させるとともに若者、高齢者、障がい者の就労促進をはかることで全体の就業率を80%に引き上げる、[2]雇用保険の適用範囲の拡大(雇用見込み6ヵ月→31日以上)の着実な施行により、非正規労働者に対するセーフティーネット機能を強化するとともに、雇用保険の国庫負担割合の原則(25%)復帰を図る、パーソナル・サポート等の充実、ジョブカード取得者の大幅拡大をはかる、[3]その他、正社員との均衡待遇の確保、正社員転換等を行う事業主に対する助成措置等の充実、「ワーク・ライフ・バランス」(「仕事と生活の調和」)の実現に向けた働き方の見直しの促進、職場における安全衛生対策等の推進等、幅広い項目となっている。
     すべての目標達成に向けて、政労使一体となった取り組みが必要である。