事務局長談話

 
2026年07月29日
「社会保障国民会議中間とりまとめ」に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神保 政史

1.給付付き税額控除導入への第一歩も「つなぎ」に消費減税が示されたことは遺憾
 7月29日、社会保障国民会議は中間とりまとめを行った。中間とりまとめは、所得の適正な再分配と持続可能な制度運営、中低所得の現役勤労者の負担軽減、「働き控え」緩和を通じた就労促進などを基本的考え方としたうえで、「所得に連動したきめ細かな給付」を行う新たな制度を2029年度に導入するとした。これは、連合が長い間求めてきた給付付き税額控除導入への第一歩と受け止める。しかし、本格導入までの「経過措置(つなぎ)」として、期間終了後の税率引上げへの懸念など多くの課題が指摘される「期間を限定した消費減税」が議長案として記載されたことは遺憾である。

2.「つなぎ」は制度の連続性・親和性を考慮して給付での対応とすべき
 中間とりまとめは「つなぎ」として、①飲食料品に係る消費税率の1%への引下げ(2027年4月1日から2年間)、②「所得に連動したきめ細かな給付」の先行導入(2027年度、飲食料品の消費税1%相当分の範囲内)を組み合わせる議長案に出席者からの意見を併記した。実務者会議などにおいても、「つなぎ」としての飲食料品に係る消費税率引下げには、「仕入税額控除の還付が受けられない農業や外食産業などへの影響」「高所得者ほど恩恵が大きい」「減税ほど価格が下がらない可能性」「2年後の税率引上げへの懸念」「現場の混乱」など多くの課題が指摘されている。本格導入までの「つなぎ」は、制度の連続性・親和性を考慮し、給付での対応とすべきである。

3.支援が必要な人が取り残されることのないよう実態把握・支援の検討が必要
 中間とりまとめは、「所得に連動したきめ細やかな給付」の対象を「一定の勤労性の所得があり、一定の税・社会保険料負担がある者」とした。本格導入までの間に、支援が必要な人が取り残されることがないよう、給付の対象外となる人々の実態を丁寧に把握したうえで、年金や生活保護などの既存制度による対応との整理を行い、支援を検討する必要がある。また、中間とりまとめは、「今後の予算編成改革の具体化の状況も踏まえつつ、早期に結論を得る」として具体的な財源を示さなかった。恒久的な財源確保に向け、所得税の税率構造見直し、人的控除の組み替え・税額控除化や、金融所得課税強化などの検討が必要である。

4.連合は「公平・連帯・納得」の税制改革実現に向けて取り組む
 今後は、中間とりまとめを踏まえ、実現に向けた検討が行われる。今後の検討では、中間とりまとめに併記した出席者からの指摘に真摯に向き合い、給付付き税額控除との連続性・親和性のある「つなぎ」や恒久的な財源確保について改めて検討すべきである。連合は政府・政党への要請や連合出身議員政治懇談会・連合フォーラム議員との連携により、「公平・連帯・納得」の税制改革実現に向けて取り組んでいく。

以 上