事務局長談話

 
2026年06月19日
社会福祉法等改正法の成立に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神保 政史

1.福祉・介護サービス維持確保のための見直しは概ね評価できるが、一部に課題
 
6月19日、参議院本会議において社会福祉法等改正法が賛成多数で可決・成立した。介護のサービス需要が減少する中山間・人口減少地域における地域の実情に応じた包括的評価の仕組みの導入、ケアマネジャーの更新制廃止、第二種社会福祉事業における頼れる身寄りがいない高齢者等を対象とした事業の創設などは概ね評価できる。一方、サービスを維持・確保するための配置基準の弾力化には慎重な対応が必要である。また、住宅型有料老人ホーム入居者へのケアマネジメント有料化、介護福祉士養成施設卒業者に係る経過措置の度重なる延長が盛り込まれたことは遺憾である。

2.ケアマネジメント有料化や介護福祉士国家資格の経過措置延長は問題
 連合は、住宅型有料老人ホーム入居者へのケアマネジメント有料化は、サービスの利用控えによる重度化リスクがあることから法案修正を求めてきたが、修正には至らなかった。今後は、ケアマネジメント有料化の対象が他のサービスへ拡大しないよう審議会等での意見反映に努める。また、介護福祉士養成施設卒業者に係る経過措置の延長については、国家資格の信頼性を損なうものであることから反対してきたが、見直しには至らなかった。附帯決議に示されたとおり、経過措置の延長は今回限りとし、必要な支援策の充実について引き続き求めていく。

3.多様で複雑な福祉ニーズに対応した包括的な支援体制の確保を
 頼れる身寄りがいない高齢者等や判断能力が不十分な者への支援については、新たな事業を第二種社会福祉事業の中に位置づけ、地域住民が抱える多様な課題の解決に資する支援が受けられるよう包括的な支援体制が整備される。今後は、制度の実効性を高めるため地域の実情に応じた適切な人員体制の確保や安定的な運営を可能とする必要な支援の検討など、附帯決議に盛り込まれた事項を着実に実施すべきである。

4.サービスの維持に向け、人材確保と働きやすい環境整備に全力で取り組む
 2040年に向けて高齢者人口が増加する中、介護・福祉分野は深刻な担い手不足にあり、このままでは必要な介護・福祉サービスの維持が困難になることが懸念される。質の高いサービスを維持し続けるためには人材確保が不可欠で、その実現には「全産業平均に遜色ない賃金水準」と「働き続けたいと思える職場環境の整備」が必要である。特に、2027年度介護報酬改定では、介護に携わる全職種の処遇改善を進め、安心して働き続けられる取り組みを適切に評価することが求められる。連合は、介護・福祉を魅力ある職場にし、サービスを安定的に維持するために引き続き全力で取り組む。

以 上