事務局長談話

 
2026年06月05日
2026年度補正予算成立に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神保 政史

1.3兆円もの補正予算を短期間で成立させようとする与党の姿勢は国会軽視
 6月5日、参議院本会議において2026年度補正予算が賛成多数で成立した。約3.1兆円の補正予算の内訳は、重点支援地方交付金(0.1兆円)を除くと、5月26日の閣議で予備費からの支出が決定した「電気・ガス代支援」の穴埋め(約0.5兆円)と中東情勢等対応予備費(2.5兆円)であり、ほぼすべてが予備費である。また、閣議決定からわずか3日で成立し、審議時間は過去5年で最短であった。国会の事前決議を経ずに内閣の裁量で支出できる3兆円もの補正予算を短期間で成立させようとする与党の姿勢は、国会軽視と言わざるを得ない。

2.省エネのさらなる推進に対する社会的な理解を広げることも検討すべき
 政府は、中東情勢を踏まえた燃料油補助により「ガソリン価格は米国を含めたG7で最も安い水準に抑制」としている。しかしながら、経産省が4月だけで3,100億円もの支出が必要だったと明らかにした燃料油補助を長期間続けることは困難である。今後は、燃料油補助の対象を事業活動に必要な軽油、原油、航空機燃料に絞り、ガソリンへの補助は段階的に縮小するとともに、省エネのさらなる推進に対する社会的な理解を広げることについても検討が必要である。あわせて、物資の調達難・価格高騰に苦しむ企業や低所得者層をはじめ、真に支援を必要とする層への支援策を検討すべきである。

3.有事の際の財政余力確保に向け、平時における財政規律の強化が不可欠
 政府は、昨年度の税収上振れなどから「国債発行総額は増えない」とするが、今回の補正予算の財源が国債であることになんら変わりはない。多額の予備費を計上し、閣議決定のみで次々と支出する手法は、財政規律の緩みの要因との指摘がある。国会審議において予備費の使途に関する情報を公開するとともに、事後検証を徹底すべきである。また、有事の際の財政余力確保に向け、平時においては債務残高を削減すべく、単年度の財政収支黒字化を財政運営の目標に据えるとともに、政府から独立した立場で中長期的な財政運営を評価・監視する独立財政機関を設置し、財政規律の強化に取り組むべきである。

4.安心して働き、くらせる社会の実現に向けて引き続き全力で取り組む
 連合はこの間、経産大臣に対して「緊迫が続く中東情勢から国民生活を守るための緊急要請」を行うなど、政府の迅速かつ機動的な政策対応を求めてきた。今後も中東情勢が経済・社会に及ぼす影響の実態把握に努めるとともに、誰もが安心して働き、くらし続けることのできる社会の実現に向けて引き続き全力で取り組んでいく。

以 上