2026年05月29日
健康保険法等改正法の成立に対する談話
1.標準的な出産費用の無償化、医療機関の勤務環境改善などは評価
5月29日、参議院本会議において健康保険法等改正法が可決・成立した。出産の保険適用(現物給付化)を含む標準的な出産費用の無償化に向けた制度の創設、医療機関における業務効率化・勤務環境改善への責務明確化、高額療養費の見直しにおける長期療養者への考慮明確化は評価する。また制度改正による患者や医療現場への影響も懸念される課題に対し、衆・参両院の附帯決議には連合の考え方が多く盛り込まれた。今後は見直しの影響を注視し、具体的な検討や必要に応じた改善が求められる。
2.希望する人が安全・安心に産み育てられる環境整備に向けて着実に具体化を
標準的な出産費用の無償化に向けた制度設計は今後の検討となる。現在提供されている内容や費用などを踏まえ、希望する人が安全・安心に産み育てられる環境整備に向けて着実に具体化を進めるべきである。その中で、無痛分娩や痛みの緩和を目的とした処置については、安全性や質の担保を前提に、保険適用とすることを求める。
3.患者・国民の理解や納得を得られるよう、丁寧な検討と説明が必要
高額療養費制度については、医療アクセスの担保を前提に、見直しの影響を所得や年齢区分別に検証し、必要に応じた適宜の見直しや、課題として残された保険者間の異動に伴う多数回該当の制度改善など、さらなる機能強化をはかるべきである。また患者にOTC類似薬の追加負担を求める「一部保険外療養」については、患者・国民の理解や納得を得られるよう、具体的な内容について丁寧な検討と説明が必要である。
4.持続可能な医療保険制度と質の高い医療提供体制の実現に取り組む
予防・健康づくりの取り組み促進や医療費の伸びの抑制に向けて、保険者が果たすべき役割は重要性を増している中、全国健康保険協会(協会けんぽ)への国庫補助は時限的に引き下げとなり、そのあり方は今後の検討事項とされた。被用者保険のセーフティーネットを担う協会けんぽが中長期的な安定運営のもとで保険者機能を十分に発揮できるよう、今後も国庫補助率は現行の水準以上とすべきである。
また、安全・安心で質の高い医療提供に向けては、人材確保や離職防止策の強化が欠かせない。現場で働く人の負担軽減に資するよう、人員配置基準は緩和せずICTの利活用と勤務環境改善の取り組み推進とあわせて、継続的な処遇改善が重要である。
連合は、持続可能な医療保険制度と質の高い医療提供体制の実現に向けて、構成組織・地方連合会、連合「患者本位の医療を確立する連絡会」や被用者保険関係団体などと連携し、引き続き全力で取り組んでいく。
以 上