事務局長談話

 
2026年05月27日
「日本成長戦略会議労働市場改革分科会とりまとめ」に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神保 政史

1.裁量労働制などの規制緩和を示唆する内容が盛り込まれたことは極めて遺憾
 5月27日、日本成長戦略会議労働市場改革分科会(分科会長:上野賢一郎厚生労働大臣)は、円滑な労働移動の促進や多様な人材の労働参加の推進など、労働市場改革の方向性の「とりまとめ」を行った。議論が集中した労働時間法制等の政策対応については、「労働政策審議会において、議論を行う」としつつも、裁量労働制などについて規制緩和を示唆する内容が盛り込まれたことは極めて遺憾である。

2.健康で豊かな生活時間を確保できる労働時間制度の確立が必要
 分科会では、多様な人材の労働参加の促進のためには、長時間労働に依存した働き方からの脱却、「働き方改革」のさらなる定着が急務との意見が連合も含めて多く出された。にもかかわらず、「とりまとめ」において、経済団体などが主張した「裁量労働制の対象の在り方」の見直し、「変形労働時間制」の検討、労働基準監督署の指導について緩和が示唆されたことは看過できない。
 誰もが安心して働き続けられる社会の実現には、健康で豊かな生活時間を確保できる労働時間制度の確立が不可欠である。労政審では、「とりまとめ」にも明記された「連続勤務規制や勤務間インターバル制度の法的位置付け、『つながらない権利』の在り方」など「働き方改革」を前進させる方策の検討を深めるべきである。

3.リスキリングの推進を含め、安心・安全に就労できる環境整備が求められる
 マッチング機能の強化やリスキリングを含む能力開発の推進は、労働移動の有無にかかわらず重要である。そもそも労働移動は、労働者自ら希望して行うものであり、移動先の魅力ある賃金・労働条件や安定雇用の実現こそ取り組まれなければならない。また、雇用保険制度は「労働者の生活と雇用の安定」という本来の役割を維持・強化すべきである。さらに「同一労働同一賃金」の遵守徹底などパート・有期・派遣労働者の待遇改善、障がい者雇用の「質」の向上に向けた見直しなど、すべての働く者が安心・安全に就労できる環境整備が求められる。

4.長時間労働からの脱却と生活時間保障に向け真の「働き方改革」実現に取り組む
 「働き方改革」は、労働時間縮減による働く者の健康確保はもとより、長時間労働に依存した企業文化を見直し、生産性向上をもはかるものであり、その本旨に逆行する裁量労働制拡充などの規制緩和は必要ない。連合は、働く者の健康確保と生活時間保障の観点からの労働時間法制等の実現に向け、組織の総力を結集して取り組みを進めていく。

以 上