事務局長談話

 
2026年03月13日
政府の「第6次男女共同参画基本計画」閣議決定に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神保 政史

1.審議を経ずに変更が加えられたことは極めて遺憾
 3月13日、政府は「第6次男女共同参画基本計画(以下、第6次計画)」を閣議決定した。地域における男女共同参画を重視し、防災・復興分野などで一部取り組みを強化したことは評価できる。一方で、連合が求めてきた、より高い目標値の設定、女性差別撤廃条約の選択議定書の早期締結、年金制度の第3号被保険者などの記載は前進が見られず課題が残る。さらに、「旧氏使用に法的効力を与える制度の創設の検討」の追記や「旧氏の単記も可能とする法制化を含めた基盤整備の検討」への変更など、重要な論点に関し審議を経ずに修正が加えられたことは極めて遺憾である。

2.策定プロセスの透明性と答申の正当性に強い疑義
 「男女共同参画基本計画」は、今後5年間のジェンダー平等政策の方向性を左右する重要な計画である。第6次計画は、専門調査会で約1年にわたり審議され、意見募集や公聴会を経て整理された。このような経緯を踏まえれば、旧氏使用拡大の法制化など、審議を経ずに政権の意向が反映されたことは、専門的知見を踏まえた民主的合意形成の軽視であり、策定プロセスの透明性と答申の正当性に強い疑義を抱かざるを得ず、政府の対応に抗議する。婚姻前の氏を名乗り続けられるかどうかは個人の尊厳と人権に関わる重要な問題であり、旧氏使用拡大の法制化では本質的な問題解決にはならず、国際社会でも通用しない。日本は夫婦同氏を法律で強制する唯一の国である。選択的夫婦別氏制度こそ早期に導入されるべきである。

3.防災・復興分野で前進は見られるものの、目標達成にはなお不十分な内容
 連合は、2030年までの完全なジェンダー平等の実現に向けて、計画策定の審議に参画してきた。連合が求めてきた防災・復興分野における男女平等参画の推進に向けて、災害対策本部に占める女性割合の新たな目標値の設定など、一定の前進は見られた。一方で、全体を通じて目標値の設定が低い水準にとどまり、女性差別撤廃条約の選択議定書の早期締結や年金制度の第3号被保険者制度など、第5次と変わらない内容となったことは、計画が掲げる「2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度」の目標に照らして、不十分と言わざるを得ない。

4.ジェンダー平等の国際的潮流を踏まえ、取り組みの一層の強化を
 世界の潮流が2030年までの完全なジェンダー平等の実現であることを踏まえれば、進捗の遅れにより未達となる目標を含め、政府は男女共同参画に向けた取り組みを一層強化していくべきである。連合は引き続き、個人の尊厳や人権が尊重され、誰もが安心して働き続けられるジェンダー平等社会の実現に向けて取り組みを進めていく。

以 上