事務局長談話

 
2025年12月24日
「令和7年(2025年)労働組合基礎調査」の結果に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神保 政史

1.集団的労使関係に守られない労働者の増加傾向に強い危機感
 12月24日、厚生労働省は「令和7年(2025年)労働組合基礎調査」の結果を公表した。2025年6月30日現在の状況によると、労働組合員数は前年比1.5万人増の992.7万人となったが、雇用者数も同66万人増となったため、推定組織率は同0.1%減の16.0%となった。推定組織率の低下は、集団的労使関係に守られない労働者が増加し続けていることを示しており、強い危機感を持たなければならない。

2.パートタイム労働者の組合員数は過去最高、中小企業の推定組織率は極めて低い水準のまま
 労働組合員数のうち、女性は前年比4.0万人増の354.5万人で、推定組織率は同0.1%減の12.3%となった。パートタイム労働者は前年比3.1万人増の149.4万人で過去最高となり、推定組織率は前年同率の8.8%となった。業種別では、民営企業が4.7万人増の874.2万人、公務が同1.7万人減の71.5万人となった。
 民営企業の企業規模別推定組織率は、1千人以上の企業が前年比1.3%減の38.7%、100~999人が前年同率の9.9%、99人以下も同0.7%と、極めて低い水準のままとなっており、中小企業で働く仲間の組織化に尽力していく必要がある。

3.連合の組合員数は増加に転じたが、組合員減少の歯止めは喫緊の課題
 連合の結果は、産業別組織を通じて加盟している組合員数が前年比1.0万人増の682.2万人、地方直加盟を含めた総数では同0.7万人増の692.4万人となり、全労働組合員数に占める割合は同0.1%増の69.8%となった。
 連合の組合員数が増加に転じたことは、連合全体で組織拡大・強化に取り組んだ結果であるが、全労働者の推定組織率が減少していることを踏まえると、中小企業の組織拡大に加え、過半数に満たない労働組合の組織拡大、労働組合の解散・組合員の脱退を防ぐ取り組み、企業再編時の労働組合の対応など、組合員減少の歯止め対策も喫緊の課題であり、女性や若者を含め組織拡大を担う人財育成にも力を入れていく。

4.労働組合の存在意義を広く社会に発信し、組合づくり・仲間づくりにつなげる
 連合は、組織拡大・強化を最重点の取り組みと位置づけ、2030年までの向こう5年間、「組織拡大プラン2030」フェーズⅡの方針のもと、構成組織・地方連合会・地域協議会・連合本部が組織の垣根を超えて連携し、組織拡大と組織強化を両輪で進める取り組みを深化させていく。さらに、経営者団体などへの積極的な働きかけを通じて労働組合の存在意義を広く社会に発信し、理解と共感の輪を広げることで、組合づくり・仲間づくりにつなげ、集団的労使関係の拡大・強化に取り組んでいく。

以 上