事務局長談話

 
2025年12月22日
出入国在留管理政策懇談会報告書「今後の出入国管理行政の在り方」に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神保 政史

1.報告書は今後の外国人政策の総合的な議論に資するものと受け止める
 12月22日、出入国在留管理庁「出入国在留管理政策懇談会」(座長:野口 貴公美 一橋大学理事・副学長)は、報告書「今後の出入国管理行政の在り方」をとりまとめ、法務大臣に提出した。報告書では、適正な在留管理の実現や、共生社会の実現に向けた受入れ環境の整備などについて、検討事項や施策の方向性が示された。出入国在留管理行政に関して網羅的に記載されるとともに、実態把握やデータなどにもとづいた施策の検討の必要性が示され、今後の外国人政策の総合的な議論に資するものと受け止める。

2.適正な在留管理や共生社会の実現に向けた施策の着実な実行を
 報告書では、共生社会の実現に向けた、日本語能力向上や就業促進を目的とする支援や、相談体制の強化の必要性、また、適正な在留管理を行うことなど、連合が懇談会において求めてきた事項が盛り込まれた。外国人の受入れにあたっては、労働者としての視点だけではなく、生活者としての視点が不可欠である中、これらの施策が着実に実行されることが重要である。

3.実態把握や調査を踏まえた、外国人の人権を尊重した取り組みが不可欠
 他方、永住許可をはじめとする在留管理の一層の適正化や、不法滞在者の縮減に向けた施策の必要性も提起されている。近年、外国人に関する偏見・差別や誤った情報などが流布されている現状などを踏まえれば、まずは実態把握や調査を十分に行い、外国人の人権を尊重した、適正な在留管理などの取り組みがなされることが不可欠である。

4.共生社会の実現に向け、外国人が安心・安全に働くことができるよう取り組む
 今後は報告書などを踏まえたうえで、出入国在留管理庁において、主要な課題や方針など、今後の出入国在留管理行政の施策の基本となる「第二次出入国在留管理基本計画」が策定される。外国人の受け入れの適正化や共生社会の実現に向けては、労働者保護の観点に加え、日本人と外国人の相互理解促進の取り組みや、政策実行のための体制強化なども求められる。連合は、外国人の人権や労働条件が確保され、安心して安全に働き、くらすことができるよう、引き続き取り組んでいく。

以 上