2025年08月05日
2025年度地域別最低賃金改定の目安に関する談話
1.目安は公労使による真摯な議論の結果として受け止める
中央最低賃金審議会 目安に関する小委員会(委員長:藤村博之 独立行政法人労働政策研究・研修機構 理事長)は8月4日、2025年度の地域別最低賃金改定の目安について、Aランク63円、Bランク63円、Cランク64円とした。
最低賃金近傍で働く労働者の生活実感の捉え方とその改善を最大の論点として、公労使による真摯な議論を積み重ねた。過去最高となる6%(全国加重平均)の目安は、賃上げの流れを未組織労働者へと波及させ、社会全体の賃金底上げにつながり得るものとして高く評価する。
2.「誰もが時給1,000円」を確実に達成し、中期的な目標も見据える
連合は、今年度の地域別最低賃金の取り組み方針として、①「誰もが時給1,000円」の実現(現在31県で1,000円未達)、②1,000円達成後は「一般労働者の賃金中央値の6割水準」の中期目標をめざすこと、③地域間の「額差」縮小などを掲げている。
今回示された目安によって、連合が長年目標として掲げてきた「誰もが時給1,000円」を達成できる目途が立ったことは評価できる。また、小委員会報告では、「一般労働者の賃金中央値の6割水準」などを含むEU指令に言及されており、公労使で議論を深めていく足がかりとなるものとして評価できる。
3.ランク逆転の目安により、地域間額差の是正に一層の弾み
本年度の目安の金額は、CランクがA・Bランクを上回った。これはランク別に目安を示すようになった1978年以来初めてであり、「額差」縮小に向けた中賃としての強力なメッセージといえる。地方最低賃金審議会においても、中央の議論経過を踏まえた建設的な審議が行われるよう、連合は重大な関心をもって経過を注視するとともに連合本部と地方連合会との情報連携を徹底する。
4.目安の意義を尊重した活発な議論とできるだけ早期の発効を
地域別最低賃金は、集団的労使関係のない職場を含めた社会全体の賃金を底支えする重要な役割を果たしている。連合はこの重要性を改めて認識した上で、今後の地方審議において、目安を軸にした活発な議論とできるだけ早期の発効に向けて全力で取り組む。
以 上