事務局長談話

 
2025年06月24日
第217通常国会閉会にあたっての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.野党が存在感を発揮するも、政治の大きな変化を期待していた立場からは残念
 6月22日、第217通常国会が閉会した。「宙吊り国会」となった今国会では、予算案が衆議院で修正・可決された後、憲政史上初となる参議院での修正も行われた。また、いわゆる下請法案や給特法案、カスハラ対策法案にも修正が加えられるなど、国会対策委員会を中心に野党が随所で存在感を発揮した。しかし、選択的夫婦別氏制度については結論が出ず、また、自民党派閥の裏金問題の真相は解明されないままとなった。さらに、「重要広範議案」であった年金制度改正法案が、自民党の都合で終盤まで提出されず国民の理解が深まらなかったことなど、消化不良の感は否めない。政治の大きな変化を期待していた立場からすると残念である。

2.これまでの農政を検証し根本的な議論を。暫定税率への与党の姿勢は極めて遺憾
 後半国会ではコメの高騰が重要なテーマとなった。事実上更迭となった江藤前大臣の後を受けた小泉農水大臣は、備蓄米の随意契約での放出を進めたものの、米価は依然として高い水準にある。食料安全保障の観点からも、これまでの農政を検証し、生産者と消費者の双方に配慮したあり方を根本的に議論する必要がある。また、ガソリンの暫定税率に関しては、野党7党が提出した法案の審議入りを自民党が拒否し、財務金融委員長が解任される異例の事態となった。昨年末に自公国で「廃止」と合意したにもかかわらず、与党の姿勢は極めて遺憾である。加えて、日米関税交渉も大きなトピックとなった。多くの国民が行方を注視し、また、不安を抱える中、政府には十分かつ丁寧な情報発信を求める。

3.さらなる国会改革と、その場しのぎではない財政・社会保障の本質的な改革を
 今国会では党首討論が3回行われ、3回目は多くの国民が視聴しやすいように夕方に開催された。また、国会終盤には衆議院議院運営委員会の理事会で、予算委員会の基本的質疑は要求された閣僚のみが出席するよう、運用を見直すことで合意された。さらなる審議の充実化に向けた国会改革、機能強化を期待する。なお、参議院選挙を控える中、与野党双方で現金給付や減税の話が飛び交っている。コロナ禍以降、このような政治が常態化しているが、その場しのぎではない、くらしを支える財政・社会保障の本質的な改革を求めたい。

4.夏の政治決戦へ。連合は政治を変え政策を実現させるため一丸となって闘い抜く
 第27回参議院選挙が7月3日公示・7月20日投開票の日程で行われる。チャンスからチェンジへ。今次選挙は、これまでの政治を変え、叶わなかった政策を前進・実現させていくための重大な政治決戦となる。連合は、推薦候補予定者全員の当選に向けて、一丸となって闘い抜く。

以 上