2025年04月25日
「労働政策基本部会報告書~急速に変化する社会における、地方や中小企業での良質な雇用の在り方~」に対する談話
1.地方の疲弊や中小企業の苦境が深刻化する中、着実な課題解決を
4月25日、労働政策審議会労働政策基本部会(部会長:守島基博 学習院大学経済学部経営学科教授、一橋大学名誉教授)は、「労働政策基本部会報告書~急速に変化する社会における、地方や中小企業での良質な雇用の在り方~」を取りまとめ、公表した。報告書では、地方・中小企業における人手不足の現状と課題を整理した上で、その解決に向けた政策的方向性が提起されている。人手不足による地方の疲弊や中小企業の苦境が深刻化する中、報告書で示された課題について着実に対応がはかられなければならない。
2.「良質な雇用」の提供・確保に向けて、労働政策と産業政策の連携が必要
報告書は、地方・中小企業における人手不足の課題解決に向け、AIの活用や賃金の相場形成機能の強化、キャリアラダーの整備といった「労働生産性の向上」、多様なニーズに対応した働き方の提供による「労働参加率の向上」などの政策的方向性を整理した。
これらはいずれも必要であるが、最も重要なのは、賃金やジェンダー平等を含め地方・中小企業が労働者に選ばれるような「良質な雇用」を提供・確保することである。個別労使での取り組みはもとより、政策上も労働政策と産業政策が連携して、産業の育成と安定した雇用の確保および、賃上げに向けた環境整備を推進すべきである。
3.連合は「働くことを軸とする安心社会」の実現に向け、全力で取り組む
わが国の総人口は2040年に現在の9割に減少すると推計されるなど、今後人口減少・労働力不足が加速度的に進行すると見込まれる。そうした中にあっては、働く者のためには当然のこと、企業や経済の発展の観点からも、健全な労使関係のもとで誰もが公正な労働条件で安心・安全に働くことができる環境整備が欠かせない。連合は、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向け、政策・運動の両面の取り組みを全力で展開していく。
以 上