2025年01月30日
国連女性差別撤廃委員会への拠出停止に強く抗議する談話
1.日本政府の拠出停止に対して強く抗議する
政府は1月29日、国連人権高等弁務官事務所に対して、日本政府が用途を特定し毎年拠出している任意拠出金について、その使途から女性差別撤廃委員会を除外することを決め、国連側に伝えたことを明らかにした。同委員会は、1979年に国連総会で採択され、日本も1985年に批准している「女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」の履行を確保するために設置された委員会であり、日本からも委員が選出されている。その委員会への拠出停止は、国際社会に対して日本が女性差別撤廃および人権の尊重に対して後ろ向きであるという姿勢を示すものであり、極めて遺憾である。連合は政府に対して強く抗議する。
2.条約締約国としての役割と責務を果たすべき
毎年世界経済フォーラムが公表しているジェンダー・ギャップ指数において、日本は低位に留まり続けており、女性に対するあらゆる分野の差別の撤廃は、日本にとって待ったなしの課題である。また、超少子化や地方からの若年女性の流出といった日本が直面している課題の根底にある根深い固定的性別役割分担意識や女性差別的な慣行・慣習、アンコンシャス・バイアスなどは、まさに条約が撤廃をめざしているものであり、女性差別撤廃委員会がその実効性確保の一翼を担っている。政府は、女性活躍推進法や「第5次男女共同参画基本計画」「女性に選ばれる地域づくり」などの取り組みを推進しているが、拠出停止はこうした取り組みの推進と相反する行為である。
人権を尊重する国際社会の一員として、政府は国連への通告をただちに撤回するとともに、条約締約国としての役割と責務を果たすべきである。
連合は、あらゆる差別や偏見をなくし、誰もが活躍できるジェンダー平等社会の実現に向けて、引き続き全力で取り組んでいく。
以 上