2025年01月17日
安全衛生分科会報告「今後の労働安全衛生対策について」に対する談話
1.個人事業者対策をはじめ就業者保護に資する対策が盛り込まれる
本日、労働政策審議会安全衛生分科会(分科会長:髙田礼子聖マリアンナ医科大学教授)は、「今後の労働安全衛生対策について」の報告(以下、報告)をとりまとめた。報告は、安全衛生分科会の議論に沿い、個人事業者等に対する災害防止対策や、メンタルヘルス対策、高年齢労働者対策など、喫緊の課題に関する対応策が盛り込まれた。これらは連合が取り組む「誰もが安全かつ安心して働くことができる社会の実現」や「曖昧な雇用」で働く就業者の保護に資するものと受け止める。
2.事業場における労働安全衛生水準の向上には中小企業への支援が不可欠
報告には、①個人事業者等を労働安全衛生法の対象とし、ILO155号条約批准にもつながる災害防止対策等を強化、②50人未満事業場でのストレスチェックの義務化、③高年齢労働者の災害防止や、治療と仕事の両立支援に関する事業者の措置の努力義務化が盛り込まれるなど、おおむね連合の主張が反映されている。今後は、対策の実効性を担保するために、中小企業を中心に支援の充実が不可欠である。労働基準監督署や地方労働局の体制整備はもとより、産業医・産業保健スタッフなどの育成、産業保健総合支援センターなど関係機関の体制強化が求められる。
3.メンタルヘルス対策はストレスチェックと集団分析などの一体的な実施が重要
メンタルヘルス対策では、ストレスチェックの実施義務が50人未満事業場に拡大される一方、集団分析・職場環境改善については、実施方法に関して、引き続き議論が必要として、義務化は継続検討とされた。個人のストレスチェックと集団分析・職場環境改善は一体的に実施することでより高い効果が期待できるものであり、将来的な集団分析・職場環境改善の義務化を視野に、施行後の状況把握と必要な支援の拡充に取り組むことが重要である。
4.安心・安全に働くことのできる社会の実現に全力で取り組む
今後、安全衛生分科会などでの法律案要綱の審議を経て、次期通常国会に改正法案が提出される見通しである。連合は、働き方が多様化する中、雇用形態や年齢・性別にかかわらず、すべての働く者が安心して安全に働くことのできる社会の実現に向け、全力で取り組んでいく。
以 上