2024年12月26日
労働政策審議会雇用環境・均等分科会報告「女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化について」に対する談話
1.女性活躍推進法の実効性向上、ハラスメント対策を強化
本日、労働政策審議会雇用環境・均等分科会(分科会長:奥宮京子弁護士)は、「女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化について」(以下、報告)を取りまとめた。女性活躍推進法は、101人以上企業に、「男女間賃金差異」の公表義務を拡大するとともに「女性管理職比率」を新たに公表義務とした。また、ハラスメント対策に関しては、国が職場におけるハラスメントを行ってはならないことの社会的な規範意識醸成に取り組む旨を明確化するとともに、カスタマー・ハラスメント(以下、カスハラ)対策を雇用管理上の措置義務とした。これらは、人権が尊重され、誰もが安心・安全に働き、活躍できる社会実現の観点から評価できる。
2.格差の要因分析、課題の把握・改善に向けた取り組みで女性活躍の一層の推進を
報告は、事業主による「男女間賃金差異」の要因分析、課題把握・改善に向けた取り組み、「説明欄」の更なる活用、「女性管理職比率」向上の取り組みを国として促すとともに、支援策の充実をはかることが適当であるとした。数値は女性が活躍しやすい職場か否かを示す指標にすぎず、いかに是正に取り組むかが重要である。賃金差異や管理職比率に留まらない積極的な情報公表および「説明欄」の活用と格差是正の取り組みを国として促し、国際的に遅れている女性活躍を一層推進しなければならない。
3.職場におけるハラスメント根絶のためには国による支援が不可欠
報告は、カスハラ防止に向け、関係省庁との連携による各業界の取り組み推進やカスハラを行ってはならない旨の周知・啓発を行うことが適当とするとともに、求職者へのセクシュアル・ハラスメント対策を雇用管理上の措置義務とした。一方、他の事業主から協力を求められた際の対応や求職者へのパワー・ハラスメント対策は法律上の義務とはしなかった。弱い立場にある取引先や求職者は、ハラスメントを受けても申し出が難しいことを踏まえ、国として相談窓口を整備するとともに、職場におけるハラスメント対策の対象に求職者が含まれることを明確にし、周知する必要がある。
4.女性活躍推進・ハラスメント対策の実効性の確保に向け取り組む
今後、報告にもとづいて法案要綱の審議が行われ、次期通常国会に法案が提出される見通しである。連合は、女性活躍推進法とハラスメント対策の実効性向上に向けて、ILO第190号条約批准も見据え、連合フォーラム議員と連携し、国会における法案審議に対応していく。
以 上