事務局長談話

 
2024年12月24日
第216臨時国会閉会にあたっての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.国会の景色が変わりつつあることを実感。さらなる熟議と公開の国会を期待
 12月24日、石破政権発足後初の本格論戦の舞台となった第216臨時国会が閉会した。今国会は、先の総選挙で与党が過半数割れしたことにより、30年ぶりの宙吊り国会となった。その結果、立憲民主党を中心に野党が複数の委員長ポストを握ったことで審議のポイントや進行が明瞭となり、また、首班指名の前後で「変節」などと批判された石破総理も自らの言葉で答弁しようとする姿勢が目立った。国会の景色が変わりつつあることを実感しつつ、今後のさらなる熟議と公開の国会を期待する。

2.立憲民主党と国民民主党を中心に野党の力でこれまで叶わなかった政策の実現を
 今国会では、補正予算案に立憲民主党の主張が反映され、能登の復興予算が積み増しされた。予算案の修正は28年ぶり、補正予算案の修正は憲政史上初となった。また、国民民主党の働きかけにより、1995年以来据え置きの、いわゆる「103万円の壁」が引き上げられる方向となった。さらに最終盤には、次期通常国会での成立をめざして、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党が学校給食の無償化法案を提出した。立憲民主党と国民民主党が野党の力合わせの核となり、これまで叶わなかった政策を前進・実現させていくことに、連合は大いに期待する。

3.「政治とカネ」の問題は前進。ただし幕引きは許されず引き続き真相解明を
 最大の争点となった「政治とカネ」の問題に関しては、政策活動費の廃止や第三者機関の設置を盛り込んだ政治改革関連法が成立した。前者は立憲民主党が主導して野党7党が、後者は国民民主党と公明党が法案を提出した。また、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)を見直す改正歳費法も成立した。ようやくの前進ではあるものの、今般の衆参政治倫理審査会を通じてなお、自民党派閥の裏金事件の経緯などは不明瞭なまま、むしろ関係者の発言の矛盾や地方での同様事例の発覚が明らかとなっている。このままの幕引きは到底許されず、引き続き真相解明を求めたい。

4.次期参議院選挙は本格的な政権交代に向けたステップ。推薦候補者全員の当選を
 連合は、先の総選挙で「与党を過半数割れに追い込み、今の政治をリセット」することを目標に掲げ、一定の成果を得た。国会の景色は変わりつつあるが、一方で、この間の各種選挙を見ると、国民の生活の苦しさを政治が受け止め切れておらず、その不満が一層強く表れているのではないか。連合は、各政党が高い次元で政策を競い合う姿を示し、それを見た有権者がシビアに選択するような成熟した民主主義の実現を求めている。その意味でも、次期参議院選挙を本格的な政権交代に向けた重大なステップと位置づけ、先の総選挙で掲げた目標をさらに前進させるために、連合推薦候補者全員の必勝を期して総力を挙げた活動を展開していく。

以 上