事務局長談話

 
2024年11月28日
国連気候変動枠組条約第29回締約国会議閉幕にあたっての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.交渉は困難を極めたが、最終的には成果文書が取りまとめられた
 11月11日よりアゼルバイジャン・バクーにて開催された国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)は、予定していた日程を2日延長し、11月24日未明に閉幕した。今回のCOPでは、「気候資金に関する新規合同数値目標(NCQG)」が大きな争点となり、先進国と途上国との間で必要とする資金額について、双方の主張は隔たりが大きく交渉は困難を極めたが、最終的には成果文書が取りまとめられた。

2.ITUCはCOP29の結果に対して深い失望を表明した
 国際労働組合総連合(ITUC)は、NCQGで合意された「2035年までに少なくとも年間3000億ドル」の資金目標について、この金額では開発途上国のニーズに対応するには不十分であること、「公正な移行作業計画」に関する議論が脇に追いやられ何も決定しなかったことを受け、「世界の労働組合は、COP29の結果に対して深い失望を表明している」とのステートメントを発表した。

3.政府には合意に至った内容の着実な実行が求められている
 連合は、COP29会期中、ITUCと連携しながら政府、経営者団体、労働組合のナショナルセンターなど各ステークホルダーと「カーボンニュートラル」の実現と「公正な移行」の実現について対話を行った。浅尾環境大臣からは、「あらゆるステークホルダーと連携して取り組みを進めたい」との発言があり、また、日本政府は「世界各国と共同し、『自国の温室効果ガス排出削減目標(NDC)』の着実な実施と透明性の確保を追求していく」とも表明しており、合意に至った内容について着実な実行が求められている。

4.連合は引き続き「公正な移行」の具現化に取り組む
 2025年2月に提出期限を迎えるNDCについては、現在政府の中で検討が進められている。
 連合は、NDCの裏付けとなる「地球温暖化対策計画」見直しの議論や「第7次エネルギー基本計画」のヒアリングなどを通じて、「公正な移行」の実現によるGX実現を政府に強く求めるとともに、ITUCとの連携を通じたグローバルレベルでの働きかけや気候変動と雇用に強い職場づくりにむけた労使の対話促進、電力のピークカットアクションなど連合エコライフの活動を推進していく。

以 上