2024年10月12日
ノーベル平和賞の受賞に関する談話
1.受賞は核兵器のない世界と恒久平和の実現を後押しする
10月11日、ノルウェーのノーベル賞委員会は、2024年のノーベル平和賞を日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に授与すると発表した。同委員会は選定理由について「日本被団協は“ヒバクシャ”として知られる広島と長崎の被爆者たちによる草の根の運動で、核兵器のない世界を実現するために努力し、核兵器が二度と使われてはならないと証言を行ってきた」と評価している。
日本被団協には連合平和集会において「語り部」として原爆の悲惨な体験や記憶、平和への思いを訴えていただいており、ロシアによるウクライナへの侵略などにより核兵器の使用の危機が高まる中、今回の受賞は核兵器のない世界と恒久平和の実現を後押しする。
2.日本政府には唯一の戦争被爆国としての役割を果たすことを求める
核兵器の保有や使用、威嚇などを全面的に禁止する核兵器禁止条約は、2021年1月に発効し、これまでに94の国・地域が署名し、うち73の国・地域が批准している。一方、日本政府は「核保有国が参加しておらず、その道筋もみえていない」として、これまで開催された2度の締約国会議のいずれも参加を見送っている。
わが国には、唯一の戦争被爆国としての重要な役割や果たすべき責任があり、核兵器廃絶を求める国際的な機運から目を背けることは許されない。核兵器保有国と非保有国との橋渡し役として、日本政府は批准への道を閉ざすことなく、まずは締約国会議にオブザーバー参加し、締約国との対話を進めるとともに、核軍縮に向けた実効ある取り組みを強く求める。
3.連合は原爆の実相を次世代に継承する平和運動を継続する
連合は、1989年の結成以来、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に取り組んでおり、毎年8月に被爆地広島・長崎で実施している平和行動をはじめ、原水禁、KAKKINとともに「核兵器廃絶1000万署名」活動を展開してきた。
来年は被爆から80年の節目を迎えるが、被爆者の平均年齢は本年3月末の時点で85.58歳と高齢化が進み、被爆体験の継承が課題となっている。連合は、国内の関係組織のみならず、ITUC(国際労働組合総連合)とも連携をはかりながら、体験者の声を心に刻み、戦争や原爆の実相を次世代に継承する運動を今後とも継続していく。
以 上