2024年08月08日
2024年人事院勧告に対する談話
1.すべての働く者へ賃上げの流れを波及すべく早期に勧告どおり給与改定すべき
人事院は本日、政府ならびに国会に対して、2024年の国家公務員給与改定について、月例給を11,183円(2.76%)引き上げ、一時金の支給月数を年間4.60月(昨年比0.10月増)とすることを勧告した。あわせて、採用市場での競争力向上のため、給与制度のアップデートの先行実施として初任給を大幅に引き上げるとともに、若年層に特に重点をおきつつ、再任用職員も含めたすべての職員を対象に全俸給表を引き上げるとしている。
本勧告は、約30年ぶりの高水準となった民間給与の改定状況を踏まえつつ、「人への投資」を重視し、高い使命感と責任感を持って公務職場で働くすべての職員の労苦に応えたものと受け止める。政府と国会は、すべての働く者へ賃上げの流れを波及すべく、早期に勧告どおり給与改定を実施すべきである。また、各府省は、非常勤職員の給与についても、非常勤職員の給与に関する指針に沿って、常勤職員の給与改定に準じ、適切に支給すべきである。
2.引き続き労働組合との真摯な協議を求める
給与勧告と同時に、給与制度のアップデート(社会と公務の変化に応じた給与制度の整備)についても勧告された。今回の処遇面の包括的なアップデートは、決して十分と言える内容ではないが、公務職場の実態や組合員の声も踏まえながら、2年にわたり労働組合と真摯な交渉・協議が行われた結果である。
今後、公務における人事管理のあり方の変化や高齢期雇用や高齢層の処遇のあり方などについても検討するとしており、引き続き、労働組合との真摯な協議を求める。
3.地方自治体はすべての職員を対象に人事院勧告同様の給与引き上げを
今後、人事委員会が置かれている地方自治体においては、地方公務員の給与にかかる勧告が行われるが、人事院勧告を踏まえ、すべての職員を対象に同様の引き上げ勧告がなされること、あわせて、会計年度任用職員についても、常勤職員の給与改定に準じて、適切に支給されることを求める。加えて、地方自治体に対しては、地方自治の本旨にもとづき条例改正に向けて労使交渉が尊重されることを求める。
4.連合はより質の高い公共サービスに資する公務員制度改革に取り組む
人事院勧告は、あくまで労働基本権制約の代償措置であり、公務員の労働基本権の回復と自律的労使関係制度の早期の確立が求められる。連合は、国民の安全・安心なくらしを守る、より質の高い公共サービスの維持・発展に向け、ILOをはじめ関係する組織と連携しながら、民主的な公務員制度改革の実現をめざしていく。
以 上