事務局長談話

 
2024年06月24日
第213通常国会閉会にあたっての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.国民が支持しない理由は岸田総理の政治姿勢そのものにある
 6月23日、第213通常国会が閉会した。岸田総理は自民党派閥の裏金事件を受けて、昨年末の記者会見で「国民の信頼回復のために火の玉となって自民党の先頭に立ち、取り組んでまいります」と述べたが、3年ぶりとなった党首討論でも山積する課題を自ら主導して解決する姿勢は感じられなかった。こうした岸田総理の政治姿勢そのものが、多くの国民が支持しない理由であることを自覚すべきである。

2.ザル法となった改正政治資金規正法は国民軽視も甚だしい
 改正政治資金規正法が成立し、2026年1月1日に施行されることになった。パーティー券購入者の公開基準額引き下げ、政策活動費の10年後の領収書公開と監査のための第三者機関の設置、収支報告書に対する確認書作成の国会議員への義務づけなどが主な内容だが、検討事項が多く連座制の導入も見送られるなど、評価に値しないザル法である。国民軽視も甚だしい。なお、政治改革特別委員会は予算案の採決時に立憲民主党が自民党から引き出して設置されたものである。立憲民主党と国民民主党が国対間で連携し、特別委を主な舞台に自民党案の問題点を的確に追及したこと、両党が安易に妥協しなかったことは評価するものの、このような結果に終わったことは極めて遺憾である。

3.給付と負担の将来ビジョンを臆せず示す政治勢力の登場に期待
 今国会では、働く者・生活者の命とくらしに関わる重要法案も数多く審議・可決された。特に子ども・子育て支援法等改正法には、2028年度時点で3.6兆円を確保するための支援金制度が盛り込まれたが、政府の説明は終始曖昧で、かつ重大な事実が小出しにされてきた。社会保険の原理を逸脱し、国会のチェックが働かず、賃上げや雇用に影響するようなしくみが導入されたことは大きな問題である。定額減税を含め、増税批判を忌避した結果であり、岸田総理の責任は極めて重い。給付と負担をセットにした将来ビジョンを臆せずに示すことができる政治勢力の登場に期待する。

4.与党を過半数割れに追い込み、今の政治をリセットするために全力で取り組む
 「政治とカネ」の問題をめぐる自民党の一連の動き、とりわけ終盤国会のドタバタぶりを見ると、もはや政権担当能力を失いつつあると思わざるを得ない。やはり現与党に代わって政権を担い得る、もう一つの政治勢力の結集が必要である。
 連合は、その核となることを期待する立憲民主党・国民民主党と引き続き連携し、次期総選挙で与党を過半数割れに追い込み、今の政治をリセットするために全力で取り組む。

以 上