事務局長談話

 
2024年06月11日
「女性活躍・男女共同参画の重点方針2024」に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.男女平等参画社会の実現に向け、取り組みの加速を求める
 政府の「すべての女性が輝く社会づくり本部」、「男女共同参画推進本部」(本部長:岸田内閣総理大臣)は6月11日、「女性活躍・男女共同参画の重点方針2024」(「女性版骨太の方針2024」)を発表した。第5次男女共同参画基本計画において、2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合を30%程度とする目標を掲げていることを踏まえれば、東証プライム市場上場企業だけでなく、中小企業や政治分野を含め、あらゆる分野の女性参画を加速すべきである。なお、女性役員の登用は、外部人材に頼るのではなく、企業で人材を育成し内部登用を進めることが肝要である。

2.女性の活躍促進のために、まずは長時間労働を前提とした働き方を見直すべき
 女性の活躍促進のためには、固定的性別役割分担意識およびアンコンシャス・バイアスの払拭、女性の職域の拡大、結果的に男性に偏って支給されている手当をはじめとした処遇や評価を是正するとともに、男性の育児休業を促進することが必要である。そのために、まずは長時間労働を前提とした働き方を見直し、誰もが仕事と生活を両立できる職場・社会を実現しなければならない。また、女性の雇用労働者のうち、非正規雇用が半数を占めることを踏まえれば、正規雇用への転換促進による雇用の安定、同一労働同一賃金の徹底による処遇改善は喫緊の課題である。

3.今こそ選択的夫婦別氏制度を導入すべき
 「夫婦の氏に関する具体的制度の在り方」は、昨年と一言一句変わっていない。仕事や生活における不利益や負担が著しく女性に偏っているだけでなく、個人の尊厳に関わる重大な問題にもかかわらず、選択的夫婦別氏制度導入を盛り込んだ民法の改正法案要綱は、取りまとめから30年弱もたなざらしにされている。外務省がパスポートの旧姓併記を国際基準に準拠していない「例外的な措置」としているように、政府が進める旧姓の通称使用では限界がある。当事者、支援団体に加え、経済界からも早期導入を求める声が上がっており、今こそ選択的夫婦別氏制度を導入すべきである。

4.連合は、男女平等参画社会の1日も早い実現に向けて取り組む
 持続可能な社会の実現のため、世界の潮流が2030年までの完全なジェンダー平等の実現(いわゆる203050)であることを踏まえれば、そもそも指導的地位に占める女性の割合を30%程度とする日本の目標は遅れている。日本のジェンダー・ギャップ指数の順位は146ヵ国中125位と前年から低下しており、さらに踏み込んだ施策の実行が求められる。連合は、引き続き男女がともに仕事と生活を両立できる社会、男女平等参画社会の実現に向けて取り組んでいく。

以 上