事務局長談話

 
2024年06月07日
事業性融資推進法案の成立に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.企業価値担保権における労働者保護の実効性確保が不可欠
 6月7日、参議院本会議で「事業性融資の推進等に関する法律案」が可決・成立した。本法は、不動産担保や経営者保証等に依存しない融資を進めるため、労働契約を含む企業の総財産を一体として担保にとる「企業価値担保権」を創設するものである。成立した法律には担保権を実行する際に事業継続に必要な労働債権などを優先して弁済する仕組みや、倒産時に労働債権などのために財産の一部を取り置く仕組みなどが盛り込まれた。これらの仕組みが実効性あるものとなるよう、今後、労働者保護の観点から下位法令やガイドラインなどの整備が不可欠である。

2.雇用などの懸念の払しょくに向け附帯決議を踏まえた対策を
 企業価値担保権の設定や実行などにおいては、借り手企業の労働者の雇用や労働条件への影響が懸念される。法案の国会審議では、連合フォーラム議員の尽力によって、事業譲渡の際は「事業を解体せず雇用を維持しつつ承継することを原則」とする考え方を示すこと、適切な伴走型支援が行われるよう担保権者等に対するモニタリングを行うこと、事業性融資推進本部の構成員に厚生労働大臣を新たに指定することなどの答弁が引き出された。さらに、倒産・事業譲渡全般をも射程に入れた労働者保護の強化を求める附帯決議も付された。これらを踏まえて、「設定時や実行時における労働組合等への情報提供、協議のあり方」「倒産時等に備えて一般債権者のために取り置く部分の水準」を下位法令等で定めるなどの対策が重要である。

3.倒産・事業再編時における雇用および労働債権の保護ルールの強化が急務
 今回の法案審議においても、事業再編時における労働者保護の課題が改めて浮き彫りになった。近年、企業の事業再編が活発化するとともに、倒産件数も増加傾向にある中で、労働者が会社側の都合によって一方的に雇用や賃金・退職金などを失い、苦しい生活を強いられる事態を招いてはならない。連合は、附帯決議の確実な履行とともに、倒産・事業再編時における雇用および労働債権の保護ルールの強化を求め、構成組織・地方連合会と一体となって全力で取り組みを進めていく。

以 上