事務局長談話

 
2024年06月05日
子ども・子育て支援法等改正法の成立に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.「子ども・子育て支援金制度」は社会保険で徴収する合理的理由がなく非常に問題
 6月5日、参議院本会議において「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」(以下、改正法)が賛成多数で成立した。改正法では、児童手当の期間延長や所得制限撤廃、第3子以降の増額や、こども誰でも通園制度、出生後休業支援給付、育児時短就業給付などが盛り込まれた。一方、「子ども・子育て支援金制度(以下、「支援金制度」)」については、国会審議においても多くの課題が解消することなく、財源確保策として非常に問題がある。

2.加速化プランの実行には保育士のさらなる人材確保と処遇改善が必須
 今年度から試行的に実施されている「こども誰でも通園制度」は、保護者が働いていなくても、子どもを保育施設に預けることができる。しかし、事業を実施するにはさらなる人材確保が不可欠である。さらに、保育施設に不慣れな児童やアレルギー対策、保護者への対応などが増すことから、保育現場の負担が重くなることが懸念される。質の高い保育の提供に必要な人材を確保するため、配置基準の見直しをはじめ、労働条件や賃金などの処遇改善が求められる。

3.キャリア形成の阻害や労働者間の分断などにつながらないよう周知徹底が必要
 本改正法は雇用保険法の改正も含まれ、「出生後休業支援給付」および「育児時短就業給付」が新たに創設される。制度の運用においては、男女がともに育児を担う重要性や社会全体で共育てを推進する機運の醸成に加え、制度取得によるキャリア形成の阻害や労働者間の分断などにつながらないよう制度趣旨の丁寧な周知が必要である。また、労働保険特別会計のうち「育児休業等給付勘定」は「子ども・子育て支援特別会計」に移管されるが、これまで労働政策審議会において審議されてきた事項は、移管後も引き続き同審議会で審議することが不可欠である。

4.拠出する立場が参画し、「支援金制度」を評価・検討すべき
 連合は、「子ども・子育て」を社会全体で支えるという考えにもとづき、必要な負担をすることに反対するものではない。しかし、医療保険料とあわせて徴収する「支援金制度」は給付と負担の関係が不明確であることや、「子ども・子育て支援」以外にも使途が広がりかねないなど様々な課題があり、税財源を含めて不断の見直しが必要である。衆・参の委員会の附帯決議にあるように、「支援金」の使途、金額、徴収などに関する課題などについて、連合をはじめ拠出する立場から複数名が参画し、評価・検討を行う必要がある。連合は、誰もが安心して子どもを生み育てられる環境整備にさらに取り組む。

以 上