事務局長談話

 
2024年05月10日
雇用保険法等改正法の成立に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.雇用のセーフティネット拡大につながる見直しが含まれる
 5月10日、参議院本会議で「雇用保険法等の一部を改正する法律案」が可決・成立した。成立した法案は、育児休業給付の労使の保険料率の見直しが規定されるなど課題はあるものの、週所定労働時間10時間以上の労働者への雇用保険の適用拡大や、離職前に教育訓練を行っていた場合の給付制限期間の解除など、雇用のセーフティネットの拡大に資する内容が含まれており、概ね評価できる。
 

2.今後の検証や検討など附帯決議に盛り込まれる
 法案審議においては、連合も衆参両院の厚生労働委員会の参考人として意見陳述を行った。国会における質疑を通じ、「複数の事業所で雇用される労働者への雇用保険の適用のあり方等の検討を行うこと」や「非正規雇用労働者が教育訓練を受けられるよう必要な支援を行うこと」「育児休業給付の保険料率について、育児休業給付の状況や見通しに基づいた丁寧な議論を行うとともに、その財政運営のあり方を検証していくこと」などを含む重要な内容が附帯決議(衆議院:9本、参議院:13本)に盛り込まれた。
 

3.労働政策審議会での今後の議論に注力
 法案の成立を受けて、今後、労働政策審議会では、雇用保険法等の政省令の改正に向けた議論や、附帯決議に付された事項の検討が行われる。連合は、労働者の「雇用の維持・安定」の観点から、雇用保険制度が適切に活用され、その財源が将来にわたり安定的に保たれるよう、全力で取り組んでいく。
 

以 上