事務局長談話

 
2023年12月27日
「生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに関する最終報告書」に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.生活困窮者や被保護者が抱える課題の複雑化・多様化に対応
 厚生労働省の社会保障審議会・生活困窮者自立支援及び生活保護部会は12月27日、生活困窮者自立支援と生活保護の両制度の見直しに関する最終報告書を公表した。両制度のさらなる施策の推進や関係機関間の連携強化、制度間における切れ目のない支援の実現といった課題への対応に加え、新型コロナウイルスの感染拡大で露呈した相談内容の複雑化・相談者層の多様化への対応を強化する方向性などが盛り込まれており、全体的に概ね評価する。

2.人員体制の確保や支援員の処遇改善、居住支援の強化など確実な実行を
 最終報告書では、自立相談支援機関の機能強化に向けて、「必要な支援を適切に実施できる人員体制および予算の確保が必要不可欠」「支援員の処遇の改善が重要」など、連合が求めてきた考え方が盛り込まれた。また、居住支援のあり方については、住居がない人だけでなく、DVや虐待の被害など様々な生活課題を抱える人も含め、自立相談支援から居住支援まで、切れ目のない支援体制を構築する方向性も打ち出された。本報告書に沿った確実な実行が求められる。

3.生活に困窮する人が必要な自立支援を受けられるよう国は支援を
 一方、各自治体における就労準備支援事業および家計改善支援事業の必須事業化は、体制整備が進まないことなどから見送られた。生活に困窮した人に必要な支援が行き届くよう、国にはこれらの事業のさらなる実施に向けた支援が求められる。また、生活困窮者向けの事業を被保護者も利用できるようにする方向性が示されたが、現場の業務負担の増加により支援の質の低下を招いてはならない。各事業の実施機関における適切な人員体制の確保が不可欠である。

4.誰一人取り残されることのない包摂的な社会の実現に向けて全力で取り組む
 今後、最終報告書を踏まえた両制度の改正法案が、第213回通常国会に提出される見込みである。生活困窮者自立支援の現場は、コロナ禍で特例的な給付・貸し付けなど一時的な生活支援への対応に追われ、本来求められる伴走型支援の実践が困難になった。こうした事態を繰り返さないためにも、法改正を通じて両制度の機能強化を確実なものとする必要がある。連合は、誰一人取り残されることのない包摂的な社会の実現に向けて、引き続き全力で取り組んでいく。

以 上