事務局長談話

 
2023年10月13日
ITUC書記長選出に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.ITUCの信頼回復・組織の再生に向けた新書記長の手腕の発揮に期待
 10月12日、国際労働組合総連合(ITUC)は第6回臨時世界大会を開催し、新書記長にリュック・トリアングル氏(ベルギー出身)を満場一致で選出した。2022年11月の第5回世界大会で選出された前書記長をめぐる混乱に終止符を打ち、組織の再出発の要となるリーダーを加盟組織の総意で選出したことを歓迎する。ITUCは、組織の健全性・高潔性の堅守や意思決定の透明性の確保など、今回補強した規約にもとづき、加盟組織とともに組織の信頼を取り戻すために全力を傾けなければならない。新書記長にはITUCの再生に向けた手腕の発揮を心から期待する。

2.前回大会で確認した「大会宣言」にもとづく運動の継続・推進が重要
 長引くロシアのウクライナ侵略、ミャンマーなどにおける民主主義の後退と人権・労働組合権の侵害、貧困と不平等の拡大、気候変動や新技術の出現に伴う公正な移行の課題など、世界の労働者・労働組合をとりまく状況は、物価高などの生活危機も相まって依然として厳しい。このような状況に対し、第5回世界大会で採択した「大会宣言」は、運動の方向性やとるべき行動を包括的に指し示しており、この「大会宣言」を踏まえた、ITUCおよび加盟組織における「新しい社会契約」の構築に向けた運動の継続・推進が重要である。

3.連合は引き続き国際労働運動における役割・責任を力強く果たしていく
 ITUCは、運動面に加え、財政の持続可能性など組織運営上の課題にも直面している。ITUCと加盟組織は、規約にもとづき、組織間の強固な団結と連帯の精神を持って、多くの課題に立ち向かう必要がある。連合は、ITUCの主要加盟組織として、引き続き郷野晶子ITUC会長(連合参与)をはじめとするITUC執行部、ITUCアジア太平洋地域組織や他の加盟組織などとの連携を強化しながら、国際労働運動における役割と責任を力強く果たしていく。

以 上