事務局長談話

 
2023年06月21日
第211通常国会閉会にあたっての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.またしても決断しない政治、先送りの政治が繰り返された
 6月21日、第211通常国会が閉会した。今国会では、外交・防衛や食料・エネルギー、人口減少、金融・財政といった、わが国が抱える構造的な諸課題の解決に向けた議論の着実な進展が期待された。しかし、政府は国会で説明を尽くさず、また、国会終盤に閣議決定した「骨太の方針」では、防衛費の財源確保は「税制措置の開始時期については、令和7年以降の然るべき時期とすることも可能となるよう」とされ、子育て支援の財源に関しても曖昧にされた。その中で、財政健全化については「経済・財政一体改革の進捗について2024年度に点検・検証を実施する」とされ、結局は異次元の金融緩和に依存したまま、危機的な状況を立て直そうという意気込みすら感じられない。岸田総理は「待ったなし」「先送りできない」という言葉を多用するが、またしても決断しない政治、先送りの政治が繰り返された。

2.人権問題で政党間の対立が先鋭化したことは残念。与野党で熟議の国会を
 LGBT理解増進法に対する見解は既発談話のとおりだが、改正入管法もまた、内容が不十分なまま採決に持ち込まれた。結果、人権問題で政党間の対立が先鋭化した姿を国内外に露呈してしまったことは、サミット開催国として余計に残念である。また、内閣不信任案への対応を含めて野党の足並みが揃わないことばかりがクローズアップされ、それどころか非難の応酬が報道などで繰り返し取り上げられた。他党を批判して相対的に自党を浮かび上がらせる手法では、幅広い支持は得ることはできない。一方、認知症基本法や性犯罪規定を見直した改正刑法が全会一致で成立するなど、光もあった。与野党は熟議の国会に期待する有権者の思いに応えてほしい。

3.憲法第7条にもとづく総理の解散権を制限する方向で議論を
 岸田総理が6月13日の記者会見で「情勢をよく見極めたい」と述べたことで解散風が一気に強まり、現実として様々なところに影響を及ぼし、混乱を生じさせた。また、一連の出来事が、有権者の目に個利個略に映った面も否定できない。今回のことを教訓に、この際、かねてより連合が主張してきたとおり、慣習憲法として存在し、時々の総理大臣の判断で行使されてきた憲法第7条にもとづく総理大臣の衆議院解散権を制限することについて議論を進めるべきである。

4.連合は、万全の状態で来たる闘いに備える
 物価高やマイナンバー制度にまつわる混乱の解消など、生活に密着した課題は依然山積している。だからこそ、働く者・生活者の立場に立つ政治勢力を拡大することは極めて重要である。連合は、職場を原点とする政策実現の取り組みの見える化に努めるなど、地道な活動を日常的に積み重ねながら、万全の状態で来たる闘いに備える。

以 上