事務局長談話

 
2022年12月21日
「介護保険制度の見直しに関する意見」に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.介護離職のない社会をめざす連合の考え方に概ね沿った内容
 社会保障審議会介護保険部会(部会長:菊池馨実早稲田大学法学学術院教授)は12月20日、「介護保険制度の見直しに関する意見(以下、「意見」)」を取りまとめた。地域包括ケアシステムの深化に向けて、複数の在宅サービスを組み合わせて提供する複合型サービスの類型を設けることが盛り込まれた一方、給付と負担に関する議論は引き続き検討されることとなった。要介護者と家族の尊厳あるくらしを重視し介護離職のない社会をめざす連合の考え方に概ね沿った内容と受け止める。

2.介護人材のさらなる処遇改善を
 介護保険による質の高いサービス提供に向けて最も重要なのは、介護人材の確保である。連合は、継続的な処遇改善による介護人材確保策の強化を繰り返し求めてきた。「意見」には、処遇改善の重要性は示されたものの、2022年10月からの「介護職員等ベースアップ等支援加算」により、収入を3%程度、月額では約9,000円を引き上げたのみで、来年度の予算案では新たな財源措置は行われていない。政府は2024年度に行われる診療報酬と介護報酬の同時改定に向け、さらなる処遇改善措置の拡充をはかるべきである。

3.持続可能で普遍的な介護サービスを
 2000年に介護保険制度が創設されてから、保険料は2倍、費用は4倍に増加している。2040年にかけて後期高齢者の人口増により保険料と費用は増加するため、介護人材と財源の確保に向けた議論は避けて通れない。連合は、誰もが住み慣れた地域で必要なサービスを受けることができる介護離職のない社会の実現をめざし、持続可能で普遍的な介護サービスを確保するための取り組みを強化していく。

以 上