事務局長談話

 
2022年12月12日
第210臨時国会閉会にあたっての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.政府・与党の連携不足が目立ち、相次ぐ閣僚の不祥事に影響を受けた国会
 12月10日、第210臨時国会が閉会した。コロナ禍や物価高騰などを背景に8月に野党が召集を要求するも内閣は応じず、ようやく10月3日に開会したのも束の間、財務大臣の訪米のため予算委員会が開かれず空白が生じた。限られた会期の中で、政府・与党の連携不足に加え、相次ぐ閣僚の不祥事のために審議に支障が生じる事態が繰り返された。政府・与党はその責任を重く受け止めるべきである。

2.国会対策として野党が連携したことで多くの課題が解決に向けて前進
 9月21日、立憲民主党と日本維新の会は6項目について合意、それをきっかけに旧統一教会問題に関する与野党協議が設置され、最終的に各党が歩み寄る形で被害者救済法が成立した。また、通園バス置き去り防止のための安全対策がとられることとなり、10増10減の改正公職選挙法も成立した。さらに、両党と国民民主党の3党は、旧文通費にかかる歳費法等改正案を共同で提出し、存在感を示した。与党が多数を占める中、国会対策として野党が連携して政府・与党と対峙すること、とりわけ野党第1党と第2党が組むことのインパクトは大きく、多くの課題が解決に向けて前進したことは評価できる。来年の通常国会でも審議が深まるような連携・工夫を期待する。

3.その場しのぎの政治に終止符を打ち、金融・財政の構造的な改革を
 「新しい資本主義」を掲げる岸田総理は、通常国会の施政方針演説で何度も用いた「分配」という言葉を、臨時国会冒頭の所信表明演説では一度も発しなかった。また、第2次補正予算も、規模ありき、業界への補助金が中心という旧態依然とした政治手法によるもので、その景色は新しいものではない。しかも財源の多くは赤字国債であり、その意思決定に参画していない将来世代に負担と責任を負わせることは問題である。2%の物価安定目標のために金融緩和に固執する日銀と、物価高騰対策および価格転嫁を進めるとしている政府の方針は矛盾をきたしている。その場しのぎの政治に終止符を打ち、金融・財政の構造的な改革に取り組むことが重要である。

4.連合は、2023春季生活闘争と第20回統一地方選挙に全力で取り組む
 物価上昇の勢いは依然強く、多くの国民が不安を抱えたまま年末を迎えようとしている。連合は、「くらしをまもり、未来をつくる。」を合言葉に、賃上げ実現・くらし支援の緊急アクションを全国で展開する中で、2023春季生活闘争と政策・制度実現の取り組みの両輪をフル回転させていく。また、今国会では来春の統一地方選挙の日程を定める特例法が成立した。この選挙を「地域と住民の暮らしを守るため、働く者・生活者の立場に立った政治勢力の拡大と地域基盤の強化、および政策実現のために極めて重要な闘い」と位置づけ、全力で取り組んでいく。

以 上