2022年08月02日
2022年度地域別最低賃金改定の目安に関する談話
1.公労使が議論を尽くし、労働条件改善に資する目安が示されたことは評価する
8月1日、中央最低賃金審議会 目安に関する小委員会(委員長:藤村博之 法政大学大学院教授)は、Aランク31円、Bランク31円、Cランク30円、Dランク30円とする2022年度の地域別最低賃金改定の目安をまとめた。
本年度の目安は、現下の情勢をしっかりと踏まえ公労使三者が真摯に議論を尽くした結果と受け止める。また、過去最高となる目安の水準については、最低賃金近傍で働く者の労働条件改善に資するものと評価したい。
2.「誰もが時給1,000円」の実現に向けて継続的な引き上げを
本年度の目安審議において労働側は、①日本経済の自律的成長のためには「人への投資」が不可欠であり、そのためには最低賃金の引き上げが必要であること、②春季生活闘争で実現した賃上げの広がりと底上げの流れを最低賃金引き上げにつなげるべきこと、③急激な物価上昇が働く者の生活を圧迫していることを踏まえた引き上げが必要であることなどを主張した。
これら労働側の主張は一定受け入れられ、連合がめざす「誰もが時給1,000円」に一歩前進する目安が示された。ただし、依然としてナショナルミニマム水準として十分とは言えず、今後もさらなる、かつ継続的な引き上げが必要である。
3.地域間の「額差」改善に向けた地方審議を強く期待
労働側は、最低賃金の地域間格差が隣県や都市部への労働力流出の一因となっているとの認識に立ち、最高額と最低額の「額差」改善につながる目安を示すべきと主張した。目安段階では、最高額に対する最低額の割合の改善が見込めるものの、「額差」改善の目安を示すには至らなかった。今後行われる地方最低賃金審議会の審議において、「額差」改善に向けた真摯な議論が行われることを強く期待する。
4.目安を十分に参酌した引き上げと早期発効に取り組む
地域別最低賃金は、集団的労使関係のない職場を含めた社会全体の賃金を底支えする重要な役割を果たしている。連合はこの重要性を改めて認識した上で、今後の地方審議において、目安を十分に参酌した引き上げと早期発効に向けて全力で取り組んでいく。
以 上