事務局長談話

 
2022年07月11日
第26回参議院選挙結果についての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.働く者・生活者の立場に立つ政治への転換点とはならず極めて残念な結果
 7月10日、第26回参議院選挙の投開票が行われ、自民党と公明党が非改選を含めて過半数となる76議席を獲得した。連合は、人物重視・候補者本位で臨み、比例代表9名、選挙区46名の候補者を推薦したが、当選はそれぞれ8名、14名にとどまった。働く仲間のくらしと権利を守るために真剣に汗を流すことができる候補者全員を国政に送り込めず、政治の転換点とできなかったことは極めて残念である。

2.従来の政治を漫然と続けるのではなく、中長期的な視点で本質的な議論を
 参議院選挙は、政権の中間評価と位置づけられ、コロナ対策に加え、物価高と外交・安全保障への対応が中心的な争点となった。獲得議席だけで見ると、与党が国民から信任を得たこととなるが、長引く経済の低迷、雇用の質の劣化、脆弱なセーフティネット、少子化・人口減少など深刻な構造的課題に向き合ってこなかった従来の政治を漫然と続けてよいはずがない。衆議院の解散がなければ、今後3年間は国政選挙が行われることはないが、そうであるならば、与野党は、将来世代への責任も強く自覚しながら、財源論から逃げることなく、中長期的な視点で持続可能な社会をつくるための本質的な議論を深めるべきである。

3.政治分野における男女共同参画の推進と投票率向上に向けたさらなる取り組みを
 今次選挙では、女性の候補者数は181名(33.2%)、当選者数は35名(28.0%)とそれぞれ過去最多となった。各党の努力は多とするが、依然として日本は諸外国から遅れをとっている。クオータ制の導入をはじめ、今後も各党が女性候補者の発掘、育成、支援により一層取り組むことを強く求める。
 一方、投票率は約52%になることが見込まれている。前回より上向いたものの、低位を脱していない。背景にある政治への無関心や不信感を重く受け止め、民主主義を守る国民的課題として社会全体で一つひとつの原因に真摯に向き合い、その解決に向けてたゆまぬ努力を続けていかなければならない。

4.「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて取り組みを強化していく
 連合にとって今回は厳しい選挙結果となったが、政策実現や緊張感ある政治に向けた二大政党的体制の確立をめざし、政治活動の歩みを止めることはできない。2023年春には統一地方選挙が行われる。地域に根ざした政策の実現のみならず、国政選挙を見据えた組織基盤強化のためにも重要な闘いとなる。連合は「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、構成組織、地方連合会、連携する議員との対話を密にし、組織一丸となって取り組みを強化していく。

以 上