事務局長談話

 
2022年06月01日
「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」(案)取りまとめに関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.実行計画(案)は、連合の意見が一定程度織り込まれたものと受け止める
5月31日、政府の新しい資本主義実現会議は、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」(案)を取りまとめた。「資本主義のバージョンアップ」に向けた課題を示した上で、実現に向けた計画的な重点投資として、「人への分配」「科学・イノベーション」「スタートアップ」「GX・DX」を掲げるとともに、社会的課題を解決する社会経済システムを構築するとしている。
連合は本会議において、「持続可能な社会・経済の実現には、企業の健全な発展と安定した雇用のもとで、誰もが将来の生活に希望を持てる環境整備が必要であり、賃金をはじめとする基盤づくりへの資源分配が必要」との立場で意見反映に取り組んだ。その結果、本実行計画(案)では、継続した賃金引き上げの実現に向けた環境整備や、雇用形態間・男女間賃金格差是正の実効性の確保、女性の科学人材育成への支援の重要性、DXやカーボンニュートラルでの「公正な移行」の確保など、一定程度連合の意見が織り込まれたものと受け止める。

2.各施策の具体策検討の際は、労働者の影響を十分考慮することを求める
一方で、今回の計画で掲げられた各施策には、少なからず労働者への影響が懸念されるものも含まれる。今後具体策を検討する際には、労働者への影響を十分考慮した検討を行うとともに、適時適切なフォローアップ実施など、働く者にとって真に実効性あるものとして機能するよう、政府の努力を求めたい。
加えて、DXやカーボンニュートラルへの対応を進める上では、「公正な移行」の実現が不可欠であり、雇用や地域経済への負の影響を最小限に抑えるための政策を検討する、労働組合を含む多様な関係主体が参画する「社会対話」の場の設置を求めたい。

3.持続可能な経済・社会の実現にむけて、引き続き、雇用のセーフティネット構築に向けて取り組む
連合は、持続可能で包摂的な社会・経済の実現に向けて、引き続き、重層的な雇用のセーフティネット構築をはじめ、誰一人取り残さない「働くことを軸とする安心社会」に資する政策実現をはかるべく、構成組織・地方連合会とともに取り組んでいく。
 
以 上


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