事務局長談話

 
2022年03月30日
ベルコ事件 中央労働委員会和解の成立に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.高裁和解につづく中央労働委員会での和解成立は大きな成果
 3月30日、全ベルコ労働組合が、中央労働委員会(以下、中労委)に不当労働行為救済申し立てを行ったベルコ事件について和解が成立した。本件は、冠婚葬祭業大手である株式会社ベルコの代理店で労働組合を結成しようとした従業員2名が実質解雇されたことに対し、裁判所への提訴と並行して労働委員会に申し立てしてきたものである。初審の北海道労働委員会ではベルコの使用者性を認めた救済命令(2019.6.13)が出され、これを前提とした札幌高裁での和解成立(2022.1.26)に続き、中労委において、労働組合とベルコが当事者として協議を実施することを認めるという実質的に団体交渉を行うことを確認する和解が成立したことは大きな成果である。

2.ベルコには真摯な対応と良好な労使関係の構築を強く求める
 中労委での和解成立によって、ベルコにおいて労働組合の存在が認められ、かつ、労使間で実質的な団体交渉を行うことが確認された。今後、ベルコには、労働組合法を遵守し、かつ、誠実に労働組合との協議に応じるよう真摯な対応を求めるとともに、良好な労使関係を構築するように努めることを強く求める。

3.ベルコにおける集団的労使関係の輪が広がることを期待
 札幌高裁および中労委での和解は、今こそ全国で働くベルコの労働者に周知し、新たな仲間づくりを呼びかける絶好の機会である。全ベルコ労働組合が、上部団体の情報労連と連携し、働きがいや誇りを感じて働くことができる環境づくりに取り組み、集団的労使関係の輪を広げていくことを期待し、連合として後押ししていく。

4.「使用者責任逃れは許されない」~曖昧な雇用で働く者の権利保護を推進~
 札幌高裁での和解に続いて、2月25日には後続の札幌地裁判決でベルコの代理店従業員の雇用形態の違法性が認められた。連合はこれまでの取り組みを踏まえ、「使用者責任逃れは許されない」との世論をあらゆる機会で喚起していく。また、近年は、プラットフォームビジネスの進展もあり、「雇用によらない働き方」や「曖昧な雇用」で働く就業者が拡大し、労働関係法令では保護されない事例が増加している。連合は、フリーランスを含めたこうした就業者の法的保護の実現、「Wor-Q(ワーク)」を活用した新たなつながりの構築、そして、組織拡大により集団的労使関係の輪を広げるべく取り組みを強化していく。

以 上