事務局長談話

 
2021年06月16日
第204通常国会閉会にあたっての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 相原 康伸

1.コロナ禍における内閣不信任案の提出を重く受け止める
 1月18日に召集された第204通常国会は、150日間の会期を終え6月16日に閉会した。新型コロナウイルス感染症により国民の命と健康が脅かされ、生活や雇用、経済への深刻な影響が続く中、ワクチン接種の遅れや不十分な事業・雇用支援など依然として多くの課題が残されている。生活支援や感染拡大防止策の議論の継続が求められているにもかかわらず、政府・与党が国会を閉会させたことは理解し難い。野党の内閣不信任案提出は大局的見地からの重い判断と受け止める。

2.働く者のくらしに直結する政策で一定の前進がはかられるも課題は残った
 今国会では、医師の働き方改革関連法や改正育児・介護休業法などが成立し、働く者のくらしに直結する政策で一定の前進がはかられた。とりわけ、党派を超えた有志議員の真摯な取り組みにより長年の課題となっていたILO第105号条約批准に向けた法整備がなされたことは極めて意義深い。一方、連合が最重点法案に掲げていた新年度予算案や税制改革法案などでは、働く者・生活者の立場に立った議論が尽くされないまま成立に至ったことは残念である。また、政府・与党議員の公職選挙法違反など政治とカネをめぐる問題や緊急事態宣言中の不適切な会合が相次ぎ、国民の政治不信を助長した点は極めて遺憾であり猛省を求める。

3.国民の期待に応え得る党首討論の実現を求める
 今国会では2年ぶりに党首討論が開催された。コロナ禍で改めてその意義は高まっていたが、補正予算の編成やオリンピック・パラリンピック開催に関する安全対策をはじめ、喫緊の重要課題についての議論は深まらなかった。与野党は、2014年の申し合わせにもとづく月1回の開催はもとより、国民の期待に応え得る党首討論の実現に向けた制度改革を行うべきである。

4.立憲民主党と国民民主党には有権者の受け皿になることを期待する
 今国会では、立憲民主党、国民民主党のそれぞれが行政監視機能を発揮するとともに、法案審議において建設的な対案を数多く示した。立憲・国民両党には、これまで以上に政策に磨きをかけ、協力関係をさらに深め、現在の政治に不満を抱く有権者の受け皿となることを大いに期待する。
 連合も「働くことを軸とする安心社会の実現」に向けて、働く者・生活者の立場からコロナ対策も含めた政策提言を続けるとともに、命とくらしを守る政治への転換をはかるべく組織の総力をあげて政治活動に取り組んでいく。

以 上