事務局長談話

 
2021年03月22日
参議院長野県選出議員補欠選挙の対応に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 相原 康伸

<連合としての基本的な考え方>
 連合は、1989年11月21日統一大会で「連合の進路」を制定した。爾来、自由にして民主的な労働運動の強化・拡大と労働運動の基盤強化に取り組んできた。そこには、戦後、外部勢力の直接・間接の介入、干渉が、労働運動の戦線統一を停滞させた歴史的経過が刻み込まれている。日本の労働運動の悲願であった労働界全体の統一、労働組合主義にもとづく強固な組織が、日本の経済・社会の安定と発展、働く者、生活者の希望につながった意義を今一度、ここに再確認する。連合は、いかなる取り組み課題にも構成組織、地方連合会と一致協力し、なお一層その実践に全力をあげる。

1.各方面の運動推進に多大な影響を及ぼした
 連合は、2月25日~26日の持ち回り中央執行委員会で、参議院長野県選出議員補欠選挙に、立憲民主党公認の羽田次郎氏の推薦を決定した。その翌27日、羽田氏は立憲民主党長野県連・共産党長野県委員会との三者で政策協定書を締結した。
 本事案の惹起に伴い、連合長野は、確認した推薦決定にもとづき地域での支援活動を加速すべき重要期にもかかわらず諸対応を余儀なくされた。構成組織は、取り組みが集中する中、事態への対応および合意形成に相当の労力を要した。今回の経過がそれぞれの立場での運動推進に多大な影響を及ぼしたことは極めて重たい事実である。

2.「共有する理念」と乖離した政策協定締結は極めて遺憾
 連合は昨年9月に立憲民主党と「共有する理念」を締結し、その中で「左右の全体主義を排し、多様な価値観を否定せず熟議を尽くす中道の精神を重んじ、建設的な議論が行われ、民意が反映される政治行政をめざす」こと、そして「第49回衆議院選挙の基本方針」では「連合は共産党を含む野党共闘には与しない」ことを確認し、同方針を広く内外に周知・徹底してきた。これらに照らし、今回の事案は極めて遺憾であると言わざるを得ない。

3.二度と繰り返すことはできない
 その後、羽田氏が立憲民主党長野県連・新政信州と政治合意文書を締結し、連合長野と締結した協定書等を自身の政治活動の根底に置くとの改めての意思確認を受け、連合長野はその誠実な履行を前提に羽田氏を全面的に支援することを確認した。
 このことを受け連合は、3月19日〜22日の持ち回り中央執行委員会で、羽田氏、立憲民主党長野県連および同党本部が「共有する理念」に沿った対応を誠実に履行することを前提に、羽田氏の推薦を、極めて異例ではあるが、再確認した。
 このことは、3月17日連合本部における立憲民主党・枝野代表の「二度と繰り返してはならない」との申し合わせに立脚するものであり、確実な履行を強く求める。
連合は今後も、地方連合会の推薦申請を尊重、精査し、推薦取り消しを含む、推薦決定行為を責任を持って執り行う。そして、来る4月25日投開票の今次補選・再選挙(参議院:長野・広島、衆議院:北海道2区)に組織の総力を挙げて取り組む。

以 上